Dr. Bruce Grayson : 過去 50年間の臨死体験研究結果を語る
前置き
Dr. Bruce Grayson の講演(2016-09-17)を AI で整理した。
関連
❏ Bruce Greyson 博士:脳は意識を生み出さない。その具体的根拠を語る:文字起こし+日本語訳 (途中 4) (2024-03-27)
要旨
臨死体験と意識の存続に関する考察
この資料は、バージニア大学知覚研究部門のブルース・グレイソン博士による学術講演からの抜粋です。彼は臨死体験(NDE)の専門家として、この現象を過去50年間研究してきたと述べています。
グレイソン博士は、NDEを 思考プロセスの変化、感情の変化、超常現象、そして別世界の体験という4つの主要な特徴に分類し、それぞれの具体例を挙げて説明しています。さらに、NDEの記憶が時間の経過にわたって信頼できること、そして文化的な期待に左右されないことを示す研究結果を提示しています。
最終的に、彼はNDEが心と脳は別のものである可能性を示唆しており、死後の生存の可能性に関する証拠を提供していると主張しています。
目次
- 前置き
- 関連
- 要旨
- 概要
- NDE: 概要と定義
- NDE: 霊視と普及
- NDE の特徴: 思考の変化
- NDE の特徴: 感情の変化
- NDE の特徴: 超常現象的特質
- NDE の特徴: 他界の様相
- NDE の原因と説明
- 死後の生存の可能性
- 時系列
- 主要関係者
- 情報源
- 文字起こし(話者識別)
概要
近死体験(NDE)に関する詳細ブリーフィングドキュメント
このブリーフィングドキュメントは、バージニア大学のDivision of Perceptual Studies(DOPS)で50年間にわたり近死体験(NDE)を研究してきたDr. Bruce Graysonの講演「Do We Survive Death? A Look at the Evidence.」に基づいています。
主なテーマと重要なアイデア
Dr. Graysonの講演は、近死体験の普遍性、構成要素、記憶の信頼性、文化的影響の 欠如、そして最も重要な、死後の生存の可能性についての主要な証拠に焦点を当てています。
1. 近死体験の普遍性と多様性
- 普遍性: NDEは特定の文化や時代に限定された現象ではなく、プラトン、聖書、チベット、インド、エジプト、中国、日本、南太平洋、アメリカ先住民の民間伝承など、古代から様々な文化で報告されてきました。「The interpretation of the experience may vary from one culture to another, but the basic experience is the same over the centuries and around the globe.(経験の解釈は文化によって異なるかもしれませんが、基本的な経験は数世紀にわたって、そして世界中で同じです。)」
- 多様性: NDEはそれぞれ異なり、体験者一人ひとりも異なります。共通の核となる特徴はありますが、個々の体験はユニークです。
- 定義: NDEは単なる「死にかけた経験」ではなく、「彼らが物理的な身体を離れ、時間と空間の境界を越えて移動するように見える深い経験」を指します。
- 発生率: ドキュメント化された死にかけた経験(心停止など)をした人の10〜20%がNDEを報告しています。「between 10 and 20 percent will report near-death experiences.(10〜20パーセントが近死体験を報告します。)」これは、報告、記憶、言語化、共有を選択した人の割合です。
2. NDEの4つの主要な構成要素
研究者は、数百にわたるNDEを分析し、以下の4つのグループの共通の特徴を特定しました。
思考プロセスの変化:
- 時間の感覚が歪むか、完全に消失する。
- 思考がこれまでになく速く、かつ明確になる。
- 「人生の回顧」または「パノラマ的記憶」の感覚で、人生全体が一瞬で蘇る。
- 突然の理解や啓示の感覚。
- 例: 梯子から落下した男性は、落下が「スローダウン」し、思考速度が「劇的に増加」したため、落下中にどうすれば良いかを瞬時に判断できたと語っています。「Not only did the fall slow way down, but my thinking became very clear in split seconds.(落下が非常に遅くなっただけでなく、私の思考は一瞬で非常に明確になりました。)」
感情の変化:
- 圧倒的な平和や幸福感。
- 喜びの感情。
- 宇宙的な一体感や万物との一体感。
- しばしば「無条件の愛」を特徴とする明るい光との遭遇。
- 例: 心臓発作を起こした女性は、「私は平和で、幸せで、満ち足りていました。もう何も気にならなかったようです。言葉にできない感情でした。心もなく、体もなく、境界も なく、ただ満足感だけでした。」と表現しています。「I was peaceful, happy, contented. I didn't seem to care about anything anymore. It was not a feeling you can put into words. No mind, no body, no boundaries, only contentment.(私は平和で、幸せで、満ち足りていました。もう何も気にならなかったようです。言葉にできない感情でした。心もなく、体もなく、境界もなく、ただ満足感だけでした。)」
超常現象的な特徴:
- 視覚、聴覚、嗅覚、触覚といった通常の物理的感覚がこれまでになく鮮明で鋭敏になる。
- 地球上で見たことのない色や、聞いたことのない音。
- 率直な超感覚的知覚や未来のビジョン。
- 肉体から離れる感覚(体外離脱)。
- 例: 肺塞栓症の女性は、「私は体から抜け出し、天井の近くを漂っていました。この視点から部屋の活動を眺めました。…彼らは私の体を心配していましたが、私は体の中にいないと伝えようとしました。明らかに彼らは私に聞こえませんでした。」と述べています。「I drifted out of the body and hovered near the ceiling. I viewed the activity in the room from this vantage point. It confused me that the doctors and nurses in the room were so concerned about the body they had lifted on the bed. I tried to tell them I was not in the body. Obviously, they didn't hear me.(私は体から抜け出し、天井の近くを漂っていました。この視点から部屋の活動を眺めました。…彼らは私の体を心配していましたが、私は体の中にいないと伝えようとしました 。明らかに彼らは私に聞こえませんでした。)」
異世界的な特徴:
- ある種の神秘的または非現実的な存在領域にいることに気づく。
- 神秘的な存在や臨在に遭遇する。
- 亡くなった霊や宗教的な霊を見る。
- 最終的に、生に戻ることができない境界や地点に到達する。
- 例: 帝王切開を受けた女性は、「私は医者が『彼女は死んだ、いってしまった』と言うのを聞きました。それから天使が私を大きな講堂を通って運んでいました。」と語り、美しい白い都市の門に近づき、そこでは「彼女の時ではない。入ることができない。」と言われた後に手術台に戻ったと報告しています。「I heard my doctor say, I've lost her. She's gone. Then an angel was carrying me through a huge great auditorium.(私は医者が『彼女は死んだ、いってしまった』と言うのを聞きました。それから天使が私を大きな講堂を通って運んでいました。)」
3. NDE研究の信頼性と文化的影響の欠如
- 記憶の信頼性: 懐疑論者はNDEの記憶が時間の経過とともに美化されると主張しますが、DOPSの研究では、1980年代初頭にインタビューした人々を2002年以降に再調査した結果 、NDEの「深さ」や各構成要素の報告は20年経っても統計的に同じであることが示されました。「NDE memories are reliable over time, and therefore retrospective research is reliable.(NDEの記憶は時間の経過とともに信頼できるため、回顧的調査も信頼できます。)」
- 文化的影響の欠如: 多くの経験は文化に影響されますが、NDEの「基本的な経験」は文化的期待によって決定されません。たとえば、西欧の多くの人が「トンネル」を話すのに対し、第三世界の国の人々は「洞窟」や「井戸」を話します。これは、同じ現象をその文化で利用可能な比喩で説明しているにすぎません。「the basic experience is not determined by your culture.(基本的な経験はあなたの文化によって決定されません。)」
- レイモンド・ムーディーの影響: レイモンド・ムーディーの著書『Life After Life』(1975年)はNDEの概念を普及させましたが、DOPSはムーディーの著書以前(1960年代初頭)に収集されたNDE報告と、その後の数十年の報告を比較しました。結果は、体外離脱、平和感、存在との出会い、光の存在、音楽や騒音、人生の回顧といった主要な特徴において、ムーディーの本の前と後で統計的に差がないことを示しています。これは、ムーディーのモデルがNDEの報告内容に影響を与えていないことを意味します。「the NDE reports are not influenced by the widespread public knowledge of Moody's model.(NDEの報告は、ムーディーのモデルに関する広範な公衆の知識によって影響されません。)」