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Russell Targ : 遠隔視や ESP は量子論的な非局所的効果の顕れだ

· 約118分

前置き+コメント

Jeffrey Mishlove の Youtube Channel に Russell Targ が出演してタイトルの件を語っている。1990年代の収録とあるので 30年ほど昔の動画。これを AI(NotebookLM) で整理した。

理論面で言うと、今現在もこの動画の 30年前と同じレベルでとどまっている。言い換えると、30年の間、遠隔視や ESP 現象について理論は実質的に何の進歩もない。ということは、ESP 現象に対する従来の理論的な取り組み手法(Dean Radin らのそれを含めて)が全くの的外れである可能性が高い。

もう一つ、誰も指摘していないようだが、

  • 遠隔視や ESP という(超越的な効果が期待されている)能力によっても、「遠隔視や ESP の機序」が全く、何一つ解明できていないこと

に注目すべき。Russell Targ や Dean Radin らの観点が正しければこれは矛盾とまでは言えなくとも、重大な疑念となる。

つまり、

  • ESP 現象は存在しているだろうが、
  • ESP 現象は「意識」の持つ不可思議な能力ではなく、
  • 情報そのものが持つ未解明の特質だろう

…これが私の推測。

要旨

AI

心の奇跡とリモートビューイング

この文章は、‌‌ジェフリー・ミシュラブ‌‌と‌‌ラッセル・ターグ‌‌による「Miracles of Mind, Part Two」と題されたインタビューの文字起こしです。ターグ氏は、‌‌SRIインターナショナル‌‌で‌‌リモートビューイング‌‌の研究を‌‌米国政府の軍事情報機関‌‌のために行っていた共同創設者であり、‌‌量子物理学‌‌における‌‌非局所的な繋がり‌‌の概念が、‌‌超感覚的知覚(ESP)‌‌や‌‌リモートビューイング‌‌といった現象を矛盾させないことを説明しています。彼は、これらの‌‌サイキック能力‌‌は、‌‌銀の先物取引‌‌の予測や‌‌ロシアのスパイ活動‌‌など実用的な目的に利用できる単なる‌‌能力‌‌である一方、‌‌悟り‌‌を達成するための‌‌精神的な道‌‌における手段としても機能すると論じています。対話の中で、彼らは‌‌静かな心‌‌の状態がこれらの‌‌超越的な経験‌‌の鍵であると強調し、‌‌ウィリアム・ジェームズ‌‌や‌‌パタンジャリ‌‌のような‌‌神秘主義者‌‌の教えにも言及しつつ、‌‌サイキック‌‌の能力は‌‌スピリチュアルな治癒‌‌にも役立つと述べています。

目次

  1. 前置き+コメント
  2. 要旨
  3. 心の奇跡:ラッセル・ターグへのインタビュー概要
    1. 要約
    2. 1. リモートビューイングと現代物理学
    3. 2. 神秘主義の視点:「我々は皆一つである」
    4. 3. 超能力の本質と応用
    5. 4. 実践と精神的態度
    6. 5. 結論:可能性の拡大
  4. (歴史的背景)リモートビューイングの歴史:古代の神秘主義から現代科学へ
    1. 1.0 はじめに:時空を超える意識
    2. 2.0 古代の源流:神秘家たちが語った「一体性」
    3. 3.0 現代科学の夜明け:SRIインターナショナルでの画期的な研究
    4. 4.0 古代と現代の架け橋:量子物理学と「非局所性」
    5. 5.0 結論:神秘体験の民主化
  5. (研究論文)リモートビューイングと量子物理学における非局所性の関連性に関する考察
    1. 1. 序論
    2. 2. リモートビューイングの科学的実証の背景
    3. 3. 量子物理学における非局所性の概念
    4. 4. 非局所性とリモートビューイングの理論的接続
    5. 5. 神秘主義的伝統との類縁性
    6. 6. 考察と今後の課題
    7. 7. 結論
  6. (概念解説)心の奇跡を解き明かす:リモートビューイングと「非局所性」の世界へようこそ
    1. 序文:意識のフロンティアへの招待
    2. 1. 「不可能」を可能にする科学:量子物理学が示す「非局所性」
    3. 2. 神秘思想家たちの洞察:「分離は幻想である」
    4. 3. 実践への道標:心の静けさと「分析という敵」
    5. 4. なぜ重要なのか?:拡大した意識がもたらす力と可能性
    6. 結論:あなたの中に眠る「心の奇跡」
  7. Russel Targ の経歴と研究
    1. 1. ラッセル・ターグ氏の経歴
    2. 2. 「心の奇跡」と応用研究の文脈
    3. 3. 非局所性の科学的意味との関連
  8. ESP(Psychic Functioning) の科学的意味
    1. 1. 現代物理学との整合性
    2. 1. 現代物理学との整合性
    3. 2. 超能力は非局所的な接続の現れである
    4. 3. ESP/超能力の性質と応用
  9. 分離の性質と神秘主義
    1. 1. 分離の性質に関する神秘主義者の主張
    2. 2. 神秘的な「一体性(Unitary Experience)」と科学的方法
    3. 3. 非局所性の科学的意味との関連
  10. 超能力の獲得と方法論
    1. 1. 超能力の獲得(訓練の容易さ)
    2. 2. 方法論:心と分析の役割
    3. 3. グループ内での調和(コヒーレンス)
    4. 4. 獲得後の姿勢
  11. 情報源

心の奇跡:ラッセル・ターグへのインタビュー概要

AI

要約

この文書は、SRIインターナショナルにおけるリモートビューイング研究プログラムの共同創設者であるラッセル・ターグ氏へのインタビューを要約したものである。ターグ氏は、リモートビューイング(遠隔透視)やその他の超常的機能が、現代物理学、特に量子力学の非局所性の概念と矛盾するものではなく、むしろ一致するものであると主張する。彼は、これらの現象を説明するための最良の枠組みは、機械的なメカニズムではなく、「分離は幻想であり、我々は皆一つである」という、古来の神秘主義者たちが説いてきた根源的な原理であると提唱する。

超能力は、軍事諜報からスピリチュアル・ヒーリングまで、様々な目的に利用可能な中立的なツールであると位置づけられている。その実践において最も重要な要素は、分析的思考を排し「心を静める」ことであり、これにより誰でもが超常的な能力を体験し、発展させることが可能となる。この体験は、個人のエンパワーメント、固定観念からの解放、そしてより広大な世界の可能性への開眼といった、人生における深い変容をもたらすと結論づけられている。

1. リモートビューイングと現代物理学

ターグ氏によれば、リモートビューイングやESP(超感覚的知覚)といった現象は、過去300年間にわたって築き上げられてきた科学的知見と矛盾するという一般的な見解は誤りである。特に現代物理学の基本概念は、これらの現象の存在を支持する枠組みを提供している。

非局所性(ノンローカリティ)の概念

  • 量子物理学との整合性:ターグ氏は、著名な物理学者デヴィッド・ボームが提唱した「量子的相互結合性(quantum interconnectedness)」に言及し、我々の意識が時空を超えて拡張しているという考えを支持する。
  • 非局所的結合:物理学における「非局所性」とは、ある物体がその直接的な周囲環境だけでなく、より広範な宇宙からの影響を受けることを意味する。光速で互いに離れていく光子同士が依然として結びついているという実験結果は、この非局所的結合が現実であることを示している。
  • 相対性理論との関係:アインシュタインは当初、この非局所的結合が光速を超える情報伝達を可能にし、相対性理論に違反するのではないかと懸念した。しかし、ターグ氏が指摘するように、非局所的な結合は存在するものの、それを利用してメッセージを送信することはできないため、相対性理論には違反しないというのが現在の物理学の結論である。
  • ESPへの示唆:ターグ氏は、光子の非局所性の実験データが直接的にESPを説明するわけではないとしながらも、「我々が非局所的な世界に住んでおり、我々の意識が通常の時空の制約を超えて拡張していることを証明している」と述べている。これにより、人が実験室にいながら遠隔地や未来の出来事を描写し、体験できるというリモートビューイングのデータに対する理論的背景が提供される。

2. 神秘主義の視点:「我々は皆一つである」

ターグ氏は、リモートビューイングのメカニズムを物理的な信号の伝達として考えるのではなく、意識の本質に関する神秘主義的な理解に求めるべきだと主張する。

分離という幻想

  • 根源的な誤解:ターグ氏の考えでは、リモートビューイングが機能する理由は、「分離とは何か」という我々の測定方法に誤りがあるからである。物理的に離れている人々も、別の領域においては分離していない側面がある。
  • 神秘主義者たちの教え:この「分離は幻想である」という考え方は、パタンジャリ(『ヨーガ・スートラ』の著者)、仏陀、イエス、ブレイク、エマソン、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンといった、時代や文化を超えた神秘主義者たちが共通して語ってきた核心的な体験である。彼らは皆、心を静めることで宇宙との一体感を体験した。
  • ウィリアム・ジェームズの比喩:この概念は、ウィリアム・ジェームズが用いた「海の島々」の比喩で説明される。水面から見ると島々は別々に存在するように見えるが、海底ではすべてが繋がっている。

神秘体験の科学的プロトコル

  • 再現可能性:ターグ氏は、神秘主義者たちの報告を単なる逸話ではなく「データ」と見なす。彼らは「我々が何をしたか、あなた方が何をすべきか」というレシピを提示し、実践した者に体験を報告させた。これは再現性を求める科学的プロトコルに通じる。
  • 体験の民主化:パタンジャリのような古代の神秘主義者もリモートビューイングのような現象を認識していたが、科学的な研究は行わなかった。ターグ氏らがSRIで行ったような現代の研究は、これらの神秘的な体験を「大いに民主化」したと言える。

3. 超能力の本質と応用

ターグ氏は、超能力を神聖視あるいはタブー視するのではなく、人間が持つ一つの能力として捉え、その多様な応用可能性について論じている。

中立的なツールとしての超能力

  • 多様な用途:「超能力は強力だが、単なる能力である」とターグ氏は述べる。それは、ロシアのスパイ活動、駐車スペース探し、車の鍵探し、そして神の体験に至るまで、あらゆる目的に使用できる。
  • 精神性と態度:超能力自体が本質的にスピリチュアルなのではなく、それを用いる人間の態度が精神的な価値を決定する。例えば、視覚をカテドラルのステンドグラスを見るために使うことも、聴覚を超越的な音楽を聴くために使うこともできるように、超能力も一体感を体験するために使うことができる。

利己的な利用に関するパラドックス

  • 伝統的見解への反論:「神はESPを私腹を肥やすために使うことを許さない」という宗教的な伝統は真実ではないとターグ氏は主張する。
  • 興味の変化:しかし、そこには一つの「ジョーク」が存在する。銀の先物市場を確実に予測できるほどに超能力を磨き上げた頃には、その人物はもはや銀に興味を失っている。ターグ氏自身も銀市場予測実験に成功した後、ブローカーから巨万の富を得ることを提案されたが、「その能力を矮小化する行為のように思え、驚くほど興味が湧かなかった」と述べている。

スピリチュアル・ヒーリングへの応用

  • 最も重要な用途の一つ:超能力の最も豊かで重要な用途はスピリチュアル・ヒーリングである。世界中の病院で二重盲検法による研究が行われ、その効果が示されている。
  • エリザベス・ターグ博士の研究:ターグ氏の娘であるエリザベス・ターグ博士は、エイズ患者に対する遠隔ヒーリング(祈り)の研究で大きな成功を収め、祈りを受けた患者群がそうでない群よりも有意に良好な結果を示した。
  • 個人的な体験:ターグ氏自身も、生命を脅かす癌と診断された際、化学療法を始める前に、共同執筆者であるジェーン・カトラ氏の指導のもと、祈り、瞑想、視覚化を行い、6年後も健康を維持している。

4. 実践と精神的態度

ターグ氏は、超能力は特別な訓練や高額なプログラムを必要とせず、正しい精神的態度と簡単な実践によって誰でもがアクセスできると強調する。

「静かな心」の重要性

  • 普遍的な要件:心を静めることは、リモートビューイングから神を知る超越的な体験まで、あらゆる静かな瞑想的体験に共通する必須条件である。
  • 分析の弊害:「分析は超能力の敵である(Analysis is the enemy of psychic functioning)」とターグ氏は断言する。 genuineな霊能者は、相談者に関する情報を一切求めず、「白紙の状態(blank slate)」から働きかけることを知っている。
  • アスリートとの共通点:勝利を収めるアスリートもまた、しばしば変性意識状態にあり、超越的な体験をする。バスケットボール選手がミッドコートからゴールを決めた際に「手からバスケットに伸びる緑の光を視覚化し、それに従っただけだ」と語った例は、神秘主義者の体験と通じるものがある。

リモートビューイングの実践方法

  • 「リモートビューイングは無料」:高額なセミナーやグルに頼る必要はない。友人にキッチンテーブルに小さな物を隠してもらい、それについて自分が何を感じるかをインタビューしてもらうだけで良い。
  • 信号とノイズの分離:この簡単な訓練を繰り返すことで、人は「超常的な信号」を、「精神的なノイズ」(記憶、想像、分析)から区別することを学べる。

グループの調和と「ロングボディ」

  • 調和の重要性:リモートビューイングの実験において、参加者全員の調和と一貫性(coherence)のある相互作用が成功の鍵となる。実験前には、不協和な要素を取り除くためのデブリーフィングが行われた。
  • コミュニティの形成:人々が直感や超能力を探求するために集まると、アメリカ先住民が「ロングボディ(long body)」や「スピリットのコミュニティ」と呼ぶような、通常よりも親密な繋がりが生まれる。

5. 結論:可能性の拡大

リモートビューイングやその他の「心の奇跡」を体験することは、単に不思議な現象を知る以上の深い意味を持つ。

  • エンパワーメント:火の上を歩く体験のように、これらの能力は人に驚くべき力と、自らの運命や体験をコントロールしているという感覚を与える。
  • より大きな世界:人は自分が「より大きな世界に住むことができる」と気づく。
  • 精神的な牢獄からの解放:「あれは不可能だ、これは不可能だ」と考える我々の「心の牢獄」から、いくつかの信念体系を手放すことができれば、これまで気づかなかった人生の可能性を発見できる。ターグ氏の体験は、人が未来を予見し、身体を癒すといった驚くべき能力を持っていることを示しており、我々の現実認識を根本から変える可能性を秘めている。

(歴史的背景)リモートビューイングの歴史:古代の神秘主義から現代科学へ

AI

1.0 はじめに:時空を超える意識

リモートビューイング(遠隔透視)とは、時空を超えて遠く離れた場所や出来事を知覚する能力を指します。この驚くべき現象は、一体どこから来たのでしょうか。本稿は、かつて神秘家たちの直感的な体験としてのみ語られてきたこの能力が、いかにして科学の厳密な精査に直面し、単に否定されることなく、むしろ最先端の物理学の概念によってその可能性を裏付けられるに至ったか、その壮大な旅路を探求するものです。

古代インドの賢者パタンジャリが説いた深遠な教えから、冷戦下の米国で政府の支援を受けて行われたSRIインターナショナルにおける厳密な科学的研究まで、意識の可能性をめぐる探求の歴史を紐解いていきましょう。

2.0 古代の源流:神秘家たちが語った「一体性」

リモートビューイングの思想的な基盤は、何千年も前の古代神秘主義にその源流を見出すことができます。それは、世界を分断されたものではなく、一つの繋がった存在として捉える世界観でした。

2.1 パタンジャリの教え:心を静めることで得られる力

古代インドの賢者であり、ヨーガの根本経典『ヨーガ・スートラ』の著者であるパタンジャリは、現在リモートビューイングとして知られる現象について、最も古い記述の一つを残しています。

SRIインターナショナルの研究を主導したラッセル・ターグ氏によれば、パタンジャリは次のように説きました。

「もしあなたが心を静めるならば、遠くを見ること、未来を見ること、他者の体の中を見ること、そして動物とコミュニケーションをとることができる。」

これは、精神的な静けさが、通常の五感を超えた知覚能力を解放するという核心的な教えです。分析や雑念を排した「静かな心」こそが時空を超える鍵であるというこの古代の直感は、単なる精神論ではありません。数千年後、SRIの厳格に管理された実験室において、成功のための決定的な条件であったことが証明されるのです。ターグ氏が自身の研究から導き出した結論「分析はサイキックな機能の敵である」という言葉は、パタンジャリの教えが現代科学によって再発見されたことを示しています。

2.2 「分離は幻想である」という核心思想

パタンジャリ、ブッダ、イエスといった異なる時代や文化の神秘家たちには、共通する一つの核心思想がありました。それは‌‌「分離は幻想である」‌‌という洞察です。彼らは、私たちが日常的に経験している個々がバラバラに存在する世界観は表面的なものであり、その根底ではすべてが繋がっている「一体性(unitary state)」の世界が広がっていると説きました。

この概念を理解するために、心理学者のウィリアム・ジェームズが用いた比喩が役立ちます。

海面に浮かぶ島々は、それぞれが独立して存在するように見えます。しかし、海底に潜れば、それらの島々はすべて同じ一つの大地で繋がっているのです。

この比喩は、私たちの意識もまた、表面的には分離しているように見えても、深層では相互に連結しているという神秘思想を見事に表現しています。古代の神秘家たちが直感的な自己探求を通じて得たこの「一体性」の経験は、数千年後、20世紀の科学者たちによって全く新しいアプローチから検証されることになります。物語は、神秘の領域から、厳密な管理下で行われる科学実験の舞台へと移ります。

3.0 現代科学の夜明け:SRIインターナショナルでの画期的な研究

20世紀に入り、かつては神秘主義の領域とされてきたリモートビューイングは、初めて科学的研究の対象となりました。その中心となったのが、米国カリフォルニア州にあったSRIインターナショナル(スタンフォード研究所)です。

3.1 ラッセル・ターグと政府主導の研究プログラム

物理学者であり、レーザー技術のパイオニアでもあったラッセル・ターグ氏は、SRIインターナショナルにおけるリモートビューイング研究プログラムの共同設立者です。このプログラムは、1970年代から約10年間にわたり、CIA(中央情報局)を含む米国政府の軍事・諜報機関から資金提供を受けて行われました。国家安全保障に関わる極秘プロジェクトとして、人間の未知なる能力が真剣に探求されたのです。

3.2 実証された能力:軍事情報から市場予測まで

SRIの研究は、リモートビューイングが単なる空想ではなく、具体的な成果を生み出す実用的な能力であることを証明しました。その応用範囲は多岐にわたりますが、特に重要な成果として以下の二つが挙げられます。

  • 軍事諜報活動
    • 研究チームは、敵対国であったロシア(旧ソ連)の軍事施設などを遠隔透視することに成功しました。これは、リモートビューイングが国家の安全保障に直接貢献しうる、極めて重要な情報収集ツールとなる可能性を示唆しました。
  • 金融市場予測
    • 研究チームは、銀の先物市場における価格変動の予測において、大きな成功を収めました。この成果は、リモートビューイングが秘匿性の高い軍事目標だけでなく、経済という客観的で検証可能な領域でも実用的なデータを提供できることを証明した点で、極めて重要でした。

これらの驚くべき成果は、科学界に大きな問いを投げかけました。かつて神秘家だけが語っていたこの現象を、科学者たちはどのように説明しようとしたのでしょうか。その答えは、現代物理学の最も深遠な領域にありました。

4.0 古代と現代の架け橋:量子物理学と「非局所性」

SRIの研究者たちは、リモートビューイングのメカニズムを説明するために、古代の神秘思想と驚くほど共鳴する現代物理学の概念に注目しました。

4.1 「信号」ではなく「つながり」

ラッセル・ターグ氏が提唱する仮説は、従来の物理学的な常識を覆すものでした。彼によれば、リモートビューイングは「ある場所から別の場所へ情報信号が伝わる」現象ではありません。

むしろ、‌‌「私たちの『分離』という概念自体が誤っている」‌‌ために機能するのだと彼は主張します。つまり、リモートビューアーの心は、ある意味ですでに遠隔地に存在しており、情報を「受信」するのではなく、元々そこにある情報に「アクセス」しているのに近いというのです。これは、神秘家たちが語った「分離は幻想である」という思想と完全に一致します。

4.2 量子的な相互連結性と神秘思想の共鳴

この一見奇妙に聞こえる考え方は、著名な物理学者デヴィッド・ボームらが提唱した現代物理学の概念によって裏付けられています。それが‌‌「非局所的(non-local)なつながり」または「量子的な相互連結性」‌‌です。本質的に、非局所性とは、物体や粒子が、それらを隔てる距離に関係なく、瞬時に互いに繋がり、影響を及ぼし合う可能性があることを示唆します。これは、物事はそのすぐ近くにあるものからしか影響を受けないという、私たちの日常的な感覚に挑戦する概念です。

ターグ氏は、この物理現象がESP(超感覚的知覚)の直接的な説明になるわけではないと断りつつも、これが極めて重要な証拠であると指摘します。なぜなら、それは‌‌「私たちの意識が時空の制約を超えて拡張している非局所的な世界に、私たちは住んでいる」‌‌という事実を証明しているからです。

古代の神秘思想と現代物理学の言葉は、まるで異なる言語で同じ真実を語っているかのように響き合います。

神秘思想の言葉現代物理学の言葉
分離は幻想である非局所的なつながり
我々は皆一つである量子的な相互連結性

この古代の直感と現代物理学の理論的な共鳴は、リモートビューイングの歴史が持つ全体的な意義、すなわち私たちの意識に対する理解の変革へと繋がっていきます。

5.0 結論:神秘体験の民主化

リモートビューイングの歴史とは、古代の神秘家たちにのみ知られていた秘儀的な実践が、科学の光を浴びることで、より多くの人々がアクセス可能な現象へと進化してきた道のりです。

ラッセル・ターグ氏はこの変化を次のように象徴的に表現しています。「我々はこれらの神秘体験を大いに民主化したのです」。かつては一部の修行者だけが到達できた意識の状態や能力が、科学的なプロトコルを通じて、一般の人々にも開かれました。

したがって、リモートビューイングの歴史は「発明」の物語ではなく、「翻訳」の物語であると言えるでしょう。現代科学はこの能力を創造したのではありません。そうではなく、古代から人類に備わっていた潜在能力、すなわち神秘家たちが常に「一体性」として知っていたものを理解し、それにアクセスするための新しい言語――非局所性や量子的相互連結性といった言葉――を提供したのです。この探求は、私たちの意識が、普段考えているよりもはるかに広大で、時空を超えて繋がっている可能性を示唆し続けています。

(研究論文)リモートビューイングと量子物理学における非局所性の関連性に関する考察

AI

1. 序論

リモートビューイングとは、物理的に離れた場所の情報を、既知の五感によらず知覚する現象を指す。この現象は、ラッセル・ターグ氏らがSRIインターナショナルで主導した研究をはじめ、数十年にわたる実証的データが存在し、米国政府の情報機関から資金提供を受けていたにもかかわらず、主流科学からは依然として黙殺されがちである。この状況は、科学における一つの重大なパラドックスを提示している。すなわち、経験的証拠を持つ現象が、古典的な物理原則に明白に違反するという理由で退けられているのである。本論文は、この却下が時代遅れの局所的な現実モデルに基づいていると論じ、量子力学の根幹をなす「非局所性」の概念が、リモートビューイングの直接的なメカニズムではなく、その存在可能性を許容する科学的に整合性のあるパラダイム――必要不可欠な理論的枠組み――を提供することを主張する。

本稿では、まずリモートビューイング研究の科学的・戦略的背景を概観する。次に、量子物理学における非局所性の概念とその実験的証拠を詳述し、続いて、このパラダイムがリモートビューイングという難問をいかにして再定義するかを論じる。さらに、この物理学的モデルが古代の神秘主義的伝統に見られる世界観と驚くほど一致することを分析し、最後に、これらの議論を統合した上で、本研究が提起する倫理的、心理的、そして科学的な含意を考察する。

2. リモートビューイングの科学的実証の背景

リモートビューイングに関する議論は、単なる逸話や憶測の域を超え、厳密な科学的調査の対象とされてきた歴史を持つ。特に冷戦時代において、この現象は国家レベルの関心事となり、その潜在的な応用可能性から戦略的な重要性を持つものと見なされていた。この文脈を理解することは、現象のメカニズムを探る物理学的議論の前提として不可欠である。

本稿で主に取り上げるラッセル・ターグ氏の研究は、その信頼性と公的な背景において特筆に値する。

  • ターグ氏の経歴と専門性
    • 肩書: SRIインターナショナルにおけるリモートビューイング研究プログラムの共同設立者。
    • 専門分野: 超心理学の分野に進む以前は、先駆的なレーザー科学者として知られ、ロッキード社で12年間にわたり航空用のレーザーベース遠隔探査システムの設計に従事した実績を持つ。
  • 研究の公的背景
    • 資金提供元: 研究は、米国政府の軍事情報機関(CIAが資金提供)の支援を受け、国家的なプロジェクトとして推進された。
    • 期間: 研究は10年間にわたって実施された。
    • 具体的な応用例: 研究は理論的な探求に留まらず、具体的な成果を報告している。
      • 軍事諜報: ロシアに対する諜報活動など、軍事情報の収集に応用された。
      • 金融予測: 銀商品の先物市場における価格変動を予測する実験も行われた。ただし、この実験は予測の成功を実証したものであり、実際の投資は行われなかった点が注記されている。

これらの実証的研究は、リモートビューイングという現象が、管理された条件下で再現可能に観測されうることを示唆するものである。この経験的事実を前提とすることで、我々は「現象は存在するのか」という問いから、「それはどのようなメカニズムで起こりうるのか」という、より深い物理学的・哲学的な探求へと議論を進めることが可能となる。

3. 量子物理学における非局所性の概念

20世紀初頭に登場した量子力学は、ニュートン力学に代表される客観的実在性と局所的因果性という古典的な前提を、根本から溶解させた。量子力学が提示した数々の直観に反する概念の中でも、「非局所性」は、現実の根源的な性質を理解する上で極めて重要な原理である。この概念は、空間的に離れた事象が、いかなる既知の力を介することなく瞬時に相関しうる可能性を示唆するものであり、現代物理学の基礎として実験的に確立されている。

非局所性の定義

物理学における「非局所性」を理解するためには、まずその対義語である「局所性(locality)」から考えるのが有益である。ターグ氏が挙げる「テーブルの上のビー玉」の例えを借りれば、局所的な世界観では、ビー玉の状態はその場に直接作用する力によってのみ決定されると考える。しかし量子力学は、この見方が不完全であることを明らかにした。非局所性とは、観測される対象が、その場の力だけでなく、より広範な領域や宇宙からの影響を受けうるという考え方である。ターグ氏が述べたように、物理学者は自身の実験が「より大きな世界、そして宇宙の彼方で起きていること、例えば光速を超えた彼方でさえ」影響を受けることを認識しなければならない。

物理学的証拠

この一見奇妙な概念は、単なる思弁的な理論ではない。物理学者デヴィッド・ボームが提唱した「量子的相互結合性(quantum interconnectedness)」は、この性質を理論的に体系化したものである。さらに、実験物理学は、かつて一つの粒子対であった光子たちが、光速で互いに遠ざかった後も、片方の状態を観測するともう一方の状態が瞬時に確定するという、非局所的な接続を繰り返し実証してきた。これは、我々の宇宙が根源的に非局所的な性質を持つことを示す強力な証拠である。

アインシュタインの懸念と解決

この非局所的な接続という考えに対し、アルベルト・アインシュタインは当初、強い懸念を示した。彼は、もし離れた場所の間で瞬時に相互作用が起こるならば、それは光速を超える情報の伝達を意味し、自身の相対性理論に違反するのではないかと考えた。このパラドックスは長らく物理学上の大きな謎とされた。しかし、その後の研究により、アインシュタインの懸念は杞憂であったことが明らかになった。非局所的な接続は確かに存在するが、それを用いて意図的な「メッセージ」を光速より速く送信することは不可能であり、したがって相対性理論とは矛盾しない、というのが現代物理学の結論である。

この確立された物理学的原理は、一見すると不可解なリモートビューイングのような現象を、従来の科学的枠組みの中で理解するための新たな視座を提供する可能性を秘めている。

4. 非局所性とリモートビューイングの理論的接続

本論文の中心的な論点は、量子物理学における非局所性というパラダイムが、リモートビューイング現象にどのように適用されうるかという点にある。ここで強調すべきは、この接続がリモートビューイングの直接的な因果関係を証明するものではないということだ。むしろ、非局所性は、従来の局所的な世界観では「不可能」と断じられてきた現象が、科学的に矛盾なく存在しうる「世界のあり方」を示す、より広範な解釈の枠組みを提供するものである。

パラダイムとしての非局所性

ターグ氏は、この関係性を次のように明確に述べている。「光子を用いた非局所性実験のデータがESP(超感覚的知覚)の説明そのものであるとは言っていない。しかし、これらのデータが示すのは、我々が非局所的な世界に住んでいるということであり、我々の意識は時空の通常の制約を超えて広がりうるということだ」。

この主張の論理構造は重要である。つまり、量子物理学の実験結果は、リモートビューイングを可能にする「環境」または「世界の性質」そのものを記述している、という視点である。物理学が証明したのは、宇宙の根本的な構造が非局所的であるという事実であり、リモートビューイングは、意識がその非局所的な構造を利用して機能する一例と見なすことができる。

「分離」の誤解という核心的議論

非局所的モデルがもたらす最も深遠な貢献は、それが根本的な問い自体を再構成する点にある。「信号がどのようにして遠隔地から観察者の脳まで伝わるのか」という伝達メカニズムの探求は、そもそも両者の間に「分離」があることを前提としている。ターグ氏の議論は、量子物理学の含意に基づき、この前提こそが核心的な誤りであると提起する。

彼によれば、物理的に分離しているように見える二つの存在(例えば、リモートビューワーとターゲット)が、ある別の領域においては、そもそも分離していない可能性がある。この考え方は、インタビュアーのジェフリー・ミシュラブが引用した、哲学者ウィリアム・ジェームズの「海の島々」の比喩によって効果的に補強される。水面から見れば島々は別々の存在に見えるが、海底ではすべてが繋がった一つの大地であるように、我々の個々の意識も、より深いレベルでは相互に接続されているのかもしれない。

この物理学的かつ哲学的なモデルは、リモートビューイングを「情報の伝達」という観点からではなく、「意識の遍在性」という観点から捉え直すことを可能にする。そして驚くべきことに、この視点は、古くから世界の神秘主義的伝統において語られてきた知見と深く共鳴するのである。

5. 神秘主義的伝統との類縁性

リモートビューイングの根底にある「非分離」あるいは「非局所性」という概念は、科学的探求の過程で浮上してきたものであるが、その本質は古代の智慧と驚くほど共通している。世界の多くの神秘主義的伝統は、科学とは異なるアプローチを通じて、宇宙と意識の根源的な一体性という結論に達してきた。この類似性を分析することは、非局所性という物理概念が人間の意識体験に持つ意味を、より深く理解する上で有益である。

共通の結論と方法論

ターグ氏が指摘するように、時代や文化を超えて多くの神秘家たちが、共通の結論に達している。それは「分離は幻想である」という洞察である。古代インドの賢者パタンジャリが著した『ヨーガ・スートラ』から、仏陀、イエス、さらにはウィリアム・ブレイクやラルフ・ワルド・エマーソンに至るまで、彼らは自己と世界の間に存在する境界が、究極的には実在しないことを説いた。

さらに興味深いのは、その結論に至る方法論の共通性である。これらの神秘家たちは、リモートビューイングの実践者が行うのと同様に、「心を静める」ことによって、通常の時空認識を超えた知覚が可能になると説いた。このことは、意識の非局所的な働きが、特定の精神状態において顕在化することを示唆している。

神秘家の経験という「現象学的データセット」

ターグ氏は、これらの神秘家の報告を単なる宗教的言説としてではなく、再現性のある「データ」として捉えるユニークな視点を提示する。特定の技法(「心を静める」)を通じて達成される、時空を超えた認識に関する数千年にもわたる異文化間の報告の一貫性は、それ自体が広範な「現象学的データセット」と見なすことができる。この質的データは、管理された科学的プロトコルを欠くものの、意識が非局所的に機能しうるという仮説を裏付けるものであり、光子実験が示す物理的証拠に対する、人間経験からの対応物を提供している。

フロイトとユングの対照的見解

このような神秘体験をどのように解釈するかについては、近代心理学においても対照的な見解が存在する。ジークムント・フロイトは、一体感のような神秘体験を、自己と他者の区別が未分化な「幼児期への退行」と見なした。一方で、カール・ユングは、それを理性を通過し、それを超えた地点で得られる「超越的な経験」として捉えた。思想家ケン・ウィルバーは、この種の混同を「プレ・トランス・ファラシー(pre-trance fallacy)」と名付けた。リモートビューイングのような高度な認知能力が、軍事諜報といった複雑なタスクに応用される事実は、それが単なる幼児期への退行ではなく、ユングが言うところの、理性を超えた高次の精神機能であることを強く示唆している。

これらの類似性は、非局所性という物理学的概念が、人間の意識体験の深層を説明する上で、極めて有効なモデルである可能性を補強するものである。

6. 考察と今後の課題

本論文で展開した、リモートビューイングを量子物理学の非局所性の観点から捉え直す試みは、科学と精神性の関係、そして意識の本質に関する我々の理解に新たな問いを投げかける。本節では、この「非局所的意識モデル」がもたらす倫理的、心理的、そして科学的な含意について考察する。

倫理的含意:能力の二面性

ターグ氏が指摘するように、リモートビューイングは「ロシアのスパイ活動」から「神を体験すること」まで、極めて多様な目的に使用されうる「強力な能力」である。この事実は、能力そのものが本質的に中立なツールであり、その価値や意味は、使用する人間の意図や態度によって決定されることを示している。非局所的な意識の働きを探求することは、同時に、その力をどのように用いるべきかという人間性の問いと向き合うことを我々に要請する。

心理的・変容的含意:物質的欲望のパラドックス

銀の先物市場を予測した事例は、この探求がもたらす内面的な変化について、興味深いパラドックスを提示している。ターグ氏は、「能力に習熟し、確実に銀の先物価格を予測できるようになった頃には、銀への興味そのものが薄れてしまっていた」と述べる。これは、非局所的な意識との接続を深めるプロセスが、個人の価値観に変容を促し、物質的な利益追求といったエゴ中心的な動機を相対化させる可能性を示唆している。能力の探求は、単なる技術の習得ではなく、精神的な成長の道程となりうるのである。

科学的含意:理論的限界と今後の展望

本稿で提示した理論的枠組みには、明確な限界も存在する。ターグ氏自身が認めているように、非局所性はリモートビューイングの「直接的な説明」ではなく、あくまでそれが起こりうる「世界のあり方」を示したものである。つまり、量子物理学は現象が存在しうる「舞台」を記述してはいるが、意識という「役者」がどのようにその舞台上で振る舞うのか、その具体的なメカニズムは未解明のままである。今後の課題は、この量子物理学と意識科学の間の巨大なギャップを埋めることにある。そのためには、物理学、神経科学、心理学、そして哲学といった分野の垣根を越えた、学際的なアプローチが不可欠となるだろう。

これらの考察を通じて、非局所性のパラダイムが、単なる難解な物理理論に留まらず、人間の経験と存在の探求における重要な鍵となりうることが示唆される。

7. 結論

本論文は、ラッセル・ターグ氏の研究と議論を基に、リモートビューイングという現象を量子物理学における非局所性の観点から分析し、その理論的可能性について考察した。

まず、SRIインターナショナルにおける研究が示すように、リモートビューイングは厳密な科学的調査の対象となりうる経験的に観測された現象である点を再確認した。そして、この一見不可解な現象を理解するための理論的基盤として、現代物理学の根幹をなす非局所性の原理が有効な視座を提供しうることを論じた。

本稿の核心的な結論は次の通りである。量子力学における非局所性という科学的パラダイムは、リモートビューイングの直接的な因果メカニズムを完全に証明するものではない。しかし、それは従来の局所的な物理モデルでは「不可能」とされてきた現象を、科学的に矛盾なく位置づけるための、首尾一貫した論理的枠組みを提供する。すなわち、「信号の伝達」という問題設定そのものを問い直し、「分離は幻想である」という、より根源的な世界観を提示するのである。

最終的に、ターグ氏の議論が示すのは、現代物理学の最先端が明らかにした宇宙の姿と、パタンジャリに代表される古代の神秘主義的智慧との間に見られる驚くべき収斂である。この事実は、意識と現実の根源的な性質に関する我々の理解が、物理学や心理学といった個別の学問分野の垣根を越えた、より統合的な探求によってのみ深められることを強く示唆している。非局所性の探求は、科学と精神性が交差する新たな地平を切り拓く可能性を秘めていると言えよう。

(概念解説)心の奇跡を解き明かす:リモートビューイングと「非局所性」の世界へようこそ

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序文:意識のフロンティアへの招待

遠く離れた場所や未来の出来事を、その場にいながらにして感じ取ることができるとしたら、信じられますか?これはSF映画の話ではなく、長年にわたり真剣に研究されてきた「リモートビューイング(遠隔透視)」という現象です。

このガイド役を務めるのは、SRIインターナショナルでリモートビューイング研究プログラムを共同設立した、先駆的なレーザー科学者のラッセル・ターグ氏です。彼は航空機用のレーザーベース遠隔探知システムを設計した経歴を持ち、その後、米国政府の支援のもとでこの驚くべき能力を10年以上にわたって科学的に探求してきました。

この解説では、リモートビューイング、非局所性、そして意識の拡大といった、一見すると難解な概念を、ターг氏の深い洞察と巧みな比喩を通して、初心者の方にもわかりやすく解き明かしていくことを目指します。さあ、科学と古代の叡智が交差する意識の最前線へ、私たちと一緒に旅立ちましょう。

1. 「不可能」を可能にする科学:量子物理学が示す「非局所性」

多くの人々は、リモートビューイングのような現象を「不可能だ」「過去300年間に築き上げられた科学の常識に反する」と感じるかもしれません。しかし、ターグ氏はこの見方に異を唱えます。「それは現代物理学の基本的な考えには反しません」と彼は断言します。その鍵となるのが、‌‌「非局所性(non-locality)」‌‌という概念です。

著名な物理学者デヴィッド・ボームが語った「量子的相互連結性」に代表されるように、この概念は私たちの世界観を根本から揺るがすものです。

  • 局所性(locality)とは何か: 従来の物理学の考え方です。例えば、テーブルの上にあるビー玉は、そのテーブルという場所に「局所的」に存在し、そこに直接触れる力だけが影響を与えると考えます。
  • 非局所性とは何か: 量子物理学が明らかにした新しい現実観です。私たちの想像を超える領域から力が作用しているという考え方であり、実験室の小さな箱の中で行われる実験でさえ、より広い世界や宇宙全体と繋がっている可能性を示唆します。光速で離れていく光子(光の粒子)同士が、依然として繋がりを保っているという実験結果がこれを裏付けています。

アインシュタインは当初、この非局所的な繋がりが「光の速さよりも速く情報を伝える」ことを可能にしてしまうのではないかと懸念しました。しかし、その後の研究で、繋がりは存在するものの、それを使って意図的にメッセージを送ることはできないということが明らかになりました。

このセクションで最も重要な結論は、非局所性の実験がESP(超感覚的知覚)のメカニズムそのものを証明したわけではない、ということです。ターグ氏が強調するように、これらの実験が証明したのは、より根源的な事実です。それは、‌‌「私たちは非局所的な世界に生きており、私たちの意識は時間と空間の通常の制約を超えて広がっている」‌‌という驚くべき可能性なのです。

  • 学習の橋渡し: 物理学が私たちの意識が繋がり合っている可能性を示唆する一方で、古来の神秘思想家たちは、この繋がりを別の言葉で表現してきました。次に、その哲学的側面を見ていきましょう。

2. 神秘思想家たちの洞察:「分離は幻想である」

物理学が示唆するこの「非局所的な繋がり」こそ、古代の神秘思想家たちが「ワンネス(一体性)」と呼んできたものの、現代的な表現なのかもしれません。彼らは、「遠くの場所から情報という"信号"が送られてくる」というメカニズム的な思考ではなく、「私たちの意識はすでにそこにある」という存在論的な思考を提示します。

この考え方の源流は、古代インドの賢者パタンジャリ(『ヨーガ・スートラ』の著者)をはじめとする、世界中の神秘思想家たちの教えにあります。彼らは深い瞑想状態を通じて、共通のある結論に達しました。それは、‌‌「分離は幻想である」‌‌という洞察です。

この概念を直感的に理解するために、心理学者のウィリアム・ジェームズが用いた美しい比喩を見てみましょう。

海に浮かぶ島々は、水面から見れば別々に見える。しかし、海底に潜れば、それらはすべて繋がっている。

ターグ氏が指摘するように、ブッダ、イエス、11世紀の神秘家ヒルデガルト・フォン・ビンゲンなど、異なる時代や文化背景を持つ人々が、静かに自己と向き合った際に共通して「一体性(unitary experience)」を体験しました。彼らは、個々の存在は幻想であり、根源的にはすべてが一つに繋がっているという真実を、自らの体験として知っていたのです。ターグ氏は、これらの時代や文化を超えて一貫した神秘体験を、単なる信仰ではなく、再現可能な手順に基づいた検証可能な「体験的データ」として捉えています。

  • 学習の橋渡し: 科学的な可能性と哲学的な裏付けを理解したところで、次に「では、具体的にどうすれば、その能力にアクセスできるのか?」という実践的な問いに焦点を当てます。

3. 実践への道標:心の静けさと「分析という敵」

ラッセル・ターグ氏は、20年間の研究の末、衝撃的な事実を発見しました。それは、「リモートビューイングは無料である」ということです。高価なトレーニングプログラムや、特別な師匠のもとでの修行は必要ありません。必要なのは、ただ一つのこと、心の持ち方です。

リモートビューイングを実践する上で、最も重要で、唯一の鍵となるのが「心を静めること」です。

では、なぜ私たちの普段の思考、特に分析的な思考が妨げになるのでしょうか?分析的思考が「敵」となる理由は、以下の対照的なタスクを比較すると一目瞭然です。

比較対象難易度なぜか?
1から10までの数字当て難しい「1ではない、10でもない、多分7でもない…」というように、分析と推測のゲームになってしまうため。
未知の場所の透視易しい分析が役に立たないため、「諦めて」心を白紙の状態にし、浮かび上がる予期せぬイメージを受け入れる態勢になるから。

分析は、私たちがすでに知っている情報に頼る行為です。しかし、リモートビューイングは未知の情報にアクセスする能力です。だからこそ、分析は「敵」となるのです。

初心者がこの感覚を掴むために、ターグ氏は自宅でできる簡単な「テーブルトップ実験」を提案しています。

  1. 友人に、あなたに見えないように小さな物体(鍵やコインなど)をキッチンテーブルなどに隠してもらいます。
  2. 友人と一緒に静かに座り、その物体に関してあなたの心に浮かんでくる感覚やイメージについて、ただ話します。分析や推測はせず、浮かぶがままに描写します。
  3. 数分後、友人から答えの物体を見せてもらいます。
  4. このプロセスを繰り返すことで、正しかった感覚(サイキックな信号)と、間違っていた感覚(記憶、想像、推測といった‌‌『メンタルノイズ』‌‌)を区別する練習をします。

このシンプルな練習が、あなたの内に眠る能力への扉を開く第一歩となるのです。

  • 学習の橋渡し: この能力を体験する方法がわかったところで、最後に「なぜそれが私たちの人生にとって重要なのか?」という問いを探求します。

4. なぜ重要なのか?:拡大した意識がもたらす力と可能性

「なぜ、わざわざリモートビューイングを体験する必要があるのか?」これは当然の疑問です。ターグ氏によれば、この能力がもたらすものは、単なる超能力や特殊な芸当ではありません。それは「人生における力とコントロール感覚を与え、より大きな世界で生きていることを気づかせてくれる」深遠な体験なのです。

この拡大した意識がもたらす可能性は、多岐にわたります。

  • 実践的な応用
    • ターグ氏のチームが行ったロシアのスパイ活動の支援。
    • 銀の先物市場の価格変動の予測。
    • 日常生活における、車の鍵や駐車スペース探し。
  • 癒しへの応用
    • ターグ氏の娘であり研究者でもあるエリザベス・ターグ博士が行った、エイズ患者への遠隔ヒーリングに関する二重盲検研究。祈りや癒しの意図を送ることが、患者の状態に有意な改善をもたらすことが示されました。ターグ氏が強調するように、これは単なる逸話ではなく、その成果は権威ある学術誌に掲載され、アメリカ、イギリス、オランダ、ドイツの研究室で再現されています。
  • 個人的・精神的な成長
    • 神秘思想家たちが語るような、神との一体感の体験。
    • 自己中心的なエゴの束縛を超えた、自己の解放。
    • 「これは不可能だ」という自己限定的な思い込みから自由になること。

リモートビューイングは、私たちが思う以上に広大で、相互に繋がった世界に生きていることを実感させてくれる強力なツールなのです。

結論:あなたの中に眠る「心の奇跡」

これまで見てきたように、リモートビューイングという現象の理解は、現代物理学の最先端である「非局所性」の概念から始まり、古来の神秘思想が説く「ワンネス(一体性)」という哲学的な枠組みを経て、最終的には「心を静める」という極めてシンプルな実践へと行き着きます。

この探求が単なる知的好奇心で終わらないことの力強い証が、ラッセル・ターグ氏自身の人生にあります。彼は数年前に命に関わる癌と診断されましたが、化学療法に頼る前に、瞑想や祈り、ビジュアライゼーションといった心の力を活用し、見事にそれを克服しました。彼の存在そのものが「心の奇跡」の証明なのです。

ターグ氏の探求が示すように、これは単なる理論ではなく、あなたが自らの人生で体験できる現実なのです。イエスが「神の国は汝の内にあり」と語ったように、リモートビューイングから神の体験まで、私たちが探し求めるすべての「心の奇跡」は、どこか遠い外の世界にあるのではありません。それは、あなた自身の内なる静けさの中に、発見されるのを待っているのです。

Russel Targ の経歴と研究

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ラッセル・ターグ氏の経歴と研究は、「心の奇跡(Miracles of Mind)」と「非局所性の科学的意味」という二つの主要な文脈において、ソースの中で包括的に説明されています。

1. ラッセル・ターグ氏の経歴

ターグ氏は、パラサイコロジー分野での活動以前に、確立された科学者としてのキャリアを持っていました。

  • ‌レーザー科学者としてのキャリア:‌‌ ターグ氏は‌‌先駆的なレーザー科学者‌‌であり、Lockheed Corporationで12年間勤務し、航空用のレーザーベースのリモートセンシングシステムを設計しました。
  • ‌リモート・ビューイング研究の共同設立者:‌‌ 彼は、SRI Internationalでリモート・ビューイング研究プログラムの共同設立者です。
  • ‌米国政府との研究:‌‌ 彼は、米国政府の軍事情報機関の支援の下で、10年間にわたりリモート・ビューイング研究を実施しました。この研究は、CIAによって資金提供され、リモート・ビューイングが機能し、軍事情報に対して深刻で具体的な応用があることを繰り返し示しました。

ターグ氏は、『Mind Reach』、『The Mind Race』、『Mind at Large』、そして最も新しい『Miracles of Mind』など、パラサイコロジー機能に関する多数の著作の著者でもあります。

2. 「心の奇跡」と応用研究の文脈

ターグ氏の研究は、サイキック能力が単なる幻想ではなく、実用的な応用が可能な「能力」であるという考えに基づいています。

  • ‌研究の具体例と結果:‌
    • 彼の研究チームは、ロシアをスパイするためにサイキック能力を使用しました。
    • また、銀の商品市場の将来の変化を予測し、大きな成功を収めました。ターグ氏と共同著者は銀先物を予測することができましたが、彼らは実際に取引はしませんでした。この成功にもかかわらず、銀市場で大金を稼ぐという誘惑は、彼らにとって驚くほど関心が薄れていきました。それは、能力の利用が、追求する価値のあるより重要な目的に比べて些細なことに思えたからです。
  • ‌能力の性質:‌‌ ターグ氏は、サイキック能力は強力ではあるが、単なる能力であり、ロシアのスパイ活動、駐車場の検索、車の鍵探し、あるいは神を体験することなど、あらゆる目的に使用できると述べています。
  • ‌瞑想と訓練:‌‌ ターグ氏は、リモート・ビューイングは「無料」である、つまり、詳細な訓練プログラムを経る必要はなく、集中とリラクゼーション、そして‌‌心を静めること‌‌の問題であると発見しました。サイキックな機能にとって、分析は敵です。リモート・ビューイングを行う際に必要な静かな心は、超越的な状態で愛に圧倒される経験や、何世紀にもわたって神秘家たちが語ってきた神を知る超越的な経験を可能にするのと同じ静かな心です。
  • ‌ヒーリング研究:‌‌ ターグ氏が述べているサイキック能力の最も重要かつ豊富な用途の一つは、‌‌スピリチュアル・ヒーリング‌‌です。彼の娘であるエリザベス・ターグ博士は、エイズ患者に対する遠隔ヒーリング(祈り)で大きな成功を収めました。ターグ氏は、自身も生命を脅かす癌と診断されましたが、共同著者ジェーン・カトラとの協力による祈りと瞑想、視覚化を通じて治癒したと述べており、彼の存在そのものが「心の奇跡」の証であるとしています。

3. 非局所性の科学的意味との関連

ターグ氏は、彼のパラサイコロジー研究の結果が、現代物理学の発展と密接に関連していると論じています。

  • ‌現代物理学との整合性:‌‌ 彼は、リモート・ビューイングや透視といった現象が、過去300年間に収集された科学的知識と矛盾するという一般的な見解に反し、‌‌現代物理学の基本的な考え方とは矛盾しない‌‌と主張しています。
  • ‌量子的な相互接続性:‌‌ 量子物理学は、私たちの意識が拡張されていることを示唆しています。著名な物理学者デイヴィッド・ボームは、量子的な相互接続性、すなわち、空間と時間における意識の拡張の程度について言及しました。光速で互いに離れて移動する光子でさえも接続されているという考えは、現代物理学によって受け入れられています。
  • ‌非局所性の定義:‌‌ ‌‌非局所的な接続‌‌について議論することは、もはや論争の的ではありません。物理学にとっての非局所性とは、テーブルの上の大理石のような身近なものに対してでさえも、通常作用すると考えられている領域の外側から力が作用する、より大きな影響範囲を持つことを意味します。
  • ‌非局所的な世界における意識:‌‌ ターグ氏は、光子の非局所性の実験データ自体がESPの直接的な説明であるとは述べていませんが、これらのデータは、‌‌私たちが非局所的な世界に住んでおり、私たちの思考には効果があり、私たちの意識が時間と空間の通常の制約を超えて拡張していること‌‌を示していると結論付けています。
  • ‌分離の誤解:‌‌ 彼は、データに適合する考えとして、分離の性質を私たちが誤解していると提案しています。彼の見解では、物理的に互いに分離している人々も、別の領域においては分離していない側面があるということです。この考えは、分離は幻想であるという神秘家たちの結論と一致しています。

ターグ氏は、リモート・ビューイングは、私たちがより大きな世界に住んでいること、そして私たちの運命と経験に対して驚くべき力とコントロールを与える、‌‌人を力づける経験‌‌であると見ています。

ESP(Psychic Functioning) の科学的意味

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「心の奇跡(Miracles of Mind)」と「非局所性の科学的意味」というより大きな文脈において、ソースはESP/超能力(Psychic Functioning)の科学的意味について、以下の点を強調しています。

1. 現代物理学との整合性

多くの人々が超能力(というより大きな文脈において、ソースはESP/超能力(Psychic Functioning)の科学的意味について、以下の点を強調しています。

1. 現代物理学との整合性

多くの人々が超能力(Psychic functioning)は不可能であり、過去300年間に注意深く集められた科学的機能に関するすべての情報と矛盾すると考えていますが、ラッセル・ターグ氏は‌‌超能力は現代物理学の基本的な考え方とは矛盾しない‌‌と主張しています。

  • ‌意識の拡張:‌‌ 量子物理学は、私たちの意識が拡張されていることを示唆しています。著名な物理学者デイヴィッド・ボームは、空間と時間における拡張された意識の程度である「‌‌量子的相互接続性‌‌」について語っています。
  • ‌非局所的な世界:‌‌ ターグ氏は、‌‌私たちが非局所的な世界に住んでいること‌‌、そして私たちの思考には効果があり、私たちの意識が時間と空間の通常の制約を超えて拡張していることを、相互接続された光子からのデータが示していると結論付けています。非局所的な接続について議論することは、もはや論争の的ではありません。
  • ‌非局所性の意味:‌‌ 物理学者にとって非局所性とは、通常の力が作用すると考えられている領域の外側から力が作用する、より大きな影響範囲を持つことを意味します。これは、科学者が実験を行う際に、彼の小さな実験が、より大きな世界や宇宙で起こっていることに影響を受ける可能性があることを意識する必要があることを意味します。

2. 超能力は非局所的な接続の現れである

ターグ氏の研究、特にSRI Internationalで10年以上にわたって行われ、CIAによって資金提供されたリモート・ビューイングの研究は、超能力が機能し、軍事情報にとって深刻で具体的な応用があることを繰り返し示しました。

  • ‌リモート・ビューイングの証明:‌‌ リモート・ビューイングやテレパシーは、「メッセージ」が何らかの形で伝達されているように見える拡張された意識の一例であり、情報を得ることができます。
  • ‌分離の概念の再定義:‌‌ ターグ氏が提案し、データに適合する見解は、‌‌私たちは分離の性質を誤解している‌‌というものです。物理的に互いに分離している人々も、別の領域においては分離していない側面があるということです。
  • ‌信号伝達の問題:‌‌ リモート・ビューイングでは、人々が遠隔地で起こっていることを体験できることに疑いはありませんが、物理学は信号が「ここからそこへ」どのように到達するのかについて説明を持っていません。ターグ氏の見解では、この誤りは「分離」が何を意味するのかという私たちの測定にあるとしています。

3. ESP/超能力の性質と応用

超能力の科学的意味は、その実用性、訓練の容易さ、そしてそれが提供する個人のエンパワーメントにあります。

  • ‌単なる能力:‌‌ 超能力は強力ですが、単なる「能力」であり、ロシアのスパイ活動、駐車場の検索、車の鍵探し、あるいは神を体験することなど、あらゆる目的に使用できます。
  • ‌実用的な応用:‌
    • ‌軍事情報活動:‌‌ ターグ氏らは、ロシアをスパイするために超能力を使用しました。
    • ‌金融予測:‌‌ 銀の商品市場の将来の変化を予測し、大きな成功を収めました。ただし、この成功にもかかわらず、ターグ氏らは取引を行うことに興味を失い、この能力の追求は、より価値のある目的に比べて「些細なこと」だと感じました。
    • ‌スピリチュアル・ヒーリング:‌‌ 超能力の最も重要かつ豊富な用途の一つは、‌‌スピリチュアル・ヒーリング‌‌です。彼の娘であるエリザベス・ターグ博士によるエイズ患者に対する遠隔ヒーリング(祈り)の研究は、二重盲検研究で有意な成功を収めています。
  • ‌分析は敵である:‌‌ 超能力機能にとって、‌‌分析は敵‌‌です。リモート・ビューイングは、詳細な訓練プログラムを経る必要はなく、集中とリラクゼーション、そして‌‌心を静めること‌‌の問題です。記憶や想像、分析を取り除くことが必要です。経験豊富なサイキックは、クライアントからの情報がリーディングの能力を妨げることを知っています。
  • ‌エンパワーメント:‌‌ リモート・ビューイングは、人々の生活を‌‌力づける‌‌ものであり、運命と経験に対する驚くべき力とコントロールを与えます。この能力は、私たちがより大きな世界に住んでいることを気づかせてくれます。

ターグ氏の研究は、超能力現象が、単に物理的な制約を超えた情報の取得というだけでなく、私たち自身の意識が時間と空間に縛られないという‌‌根本的な科学的真実‌‌を示していると結論付けています。


超能力の科学的意味は、まるで‌‌海底ケーブル‌‌のようなものです。表面(日常生活や古典物理学)からは、個々の島(私たちや物体)が完全に分離して見えますが、ターグ氏のESP研究(リモート・ビューイング)と現代物理学(非局所性)は、海面下ではすべてが量子的な相互接続性によって深く結びついており、分離は単なる「幻想」である ことを示していると言えます。

分離の性質と神秘主義

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「心の奇跡(Miracles of Mind)」と「非局所性の科学心の奇跡(Miracles of Mind)」と「非局所性の科学的意味」という文脈において、ソースは「分離の性質」と「神秘主義(Mysticism)」について、‌‌両者が量子物理学と超能力研究によって裏付けられる、意識の根源的な相互接続性‌‌を示していると説明しています。

1. 分離の性質に関する神秘主義者の主張

ソースは、長年にわたり神秘主義者たちが主張してきた「分離は幻想である」という考えが、リモート・ビューイング研究のデータと整合していることを示しています。

  • ‌神秘主義の結論:‌‌ 古代の神秘主義者、例えば‌‌パタンジャリ‌‌は、『ヨーガ・スートラ』の著者として知られていますが、心を静めれば遠方や未来、他の存在とコミュニケーションが取れるなど、驚くべき多様なことができると述べました。パタンジャリの結論、そして仏教徒の結論は、「‌‌分離は幻想である‌‌」ということです。
  • ‌物理的な分離の誤解:‌‌ ラッセル・ターグ氏は、彼らのデータに適合する見解として、‌‌私たちは分離の性質を誤解している‌‌と述べています。物理的に互いに分離している人々も、‌‌別の領域においては分離していない側面がある‌‌ということです。この考えは、神秘主義者たちが何千年もの間、彼らの直接的な経験から言い続けてきたことと一致しています。
  • ‌ウィリアム・ジェームズの比喩:‌‌ 哲学者ウィリアム・ジェームズがかつて言ったように、私たちは自分たちをユニークで分離した個人だと考えがちですが、それは‌‌海の島々‌‌のようなものかもしれません。島々は表面上は分離して見えますが、海底ではすべてが繋がっているのです。
  • ‌普遍的な経験:‌‌ ‌‌ブッダ、パタンジャリ、イエス、ブレイク、エマーソン‌‌、そして11世紀の偉大な神秘主義者である‌‌ヒルデガルト・フォン・ビンゲン‌‌など、すべての神秘主義者は同じことを言っています。神秘主義者が静かに座り、宇宙と一体になる時、彼または彼女は同じ経験をします。

2. 神秘的な「一体性(Unitary Experience)」と科学的方法

ソースは、神秘主義者たちの経験は現代の科学的プロトコルと共通点があるとしています。

  • ‌超越的な経験:‌‌ 神秘主義者が語る一体性の経験とは、あなたの経験が通常の自己を超えて拡張され、‌‌スピリチュアルな共同体に参加する‌‌ことを意味する超越(transcendence)です。
  • ‌「静かな心」の必要性:‌‌ リモート・ビューイングや透視などの超能力(Psychic functioning)と同様に、‌‌神を知る超越的な経験‌‌に至るためにも、‌‌心を静める‌‌ことが求められます。分析は超能力機能の敵であり、心を静めることが、神秘主義者たちが常に話してきた愛に打ちのめされる経験や、超越的な状態に住むことを可能にするのと同じ静かな心なのです。
  • ‌科学的プロトコルとの類似:‌‌ 神秘主義者たちが共有してくれたデータは、決して非科学的なものではありません。彼らは「我々がこれを行った、あなたもこれを行うことができる、実行後に報告して、何を経験したかを教えてほしい」と言いました。これは‌‌非常に科学的なプロトコル‌‌であると言えます。
  • ‌ウィルバーとユングの見解:‌‌ 神秘的な経験を、フロイトは乳児期への退行と見なしていましたが、ケン・ウィルバーが「前超越的誤謬(pre-trance fallacy)」と呼んで批判しています。一方、ユングはそれを‌‌非常に進んだ脱合理的な経験‌‌、つまり合理的な生き方を経た上で、分析能力を超えて超越的な経験をしている状態だと見なしました。軍事情報活動で透視能力が使えるという事実は、それが乳児期への退行ではないことを示唆しています。

3. 非局所性の科学的意味との関連

現代物理学の非局所性(Non-local connections)という概念は、神秘主義者の主張を科学的に裏付ける土台を提供します。

  • ‌意識の拡張:‌‌ 量子物理学は、私たちの意識が拡張されていることを示唆しており、著名な物理学者デイヴィッド・ボームは、空間と時間における拡張された意識の程度である‌‌量子的相互接続性‌‌について語りました。
  • ‌非局所的な世界:‌‌ 相互接続された光子からのデータは、‌‌私たちが非局所的な世界に住んでおり、私たちの意識が時間と空間の通常の制約を超えて拡張していること‌‌を示しています。
  • ‌非局所性=一体性ではないが整合性がある:‌‌ ターグ氏は、光子の非局所性実験のデータ自体がESPの直接的な説明であるとは述べていませんが、このデータは、‌‌分離が幻想である‌‌という神秘主義者たちの結論と一致しています。リモート・ビューイング現象は、信号が「ここからそこへ」どのように到達するかの説明を物理学は持っていませんが、ターグ氏の提案は、その誤りが「分離」が何を意味するのかという私たちの測定にあるというものです。

要するに、ラッセル・ターグ氏の研究は、神秘主義者たちが直感的に、または瞑想を通じて経験してきた「‌‌万物は一つであり、分離は幻想である‌‌」という考えが、リモート・ビューイングによって実証され、さらに現代物理学の非局所性という概念によって理論的な支持を得ていることを示しています。

超能力の獲得と方法論

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「心の奇跡(Miracles of Mind)」と「非局所性の科学的意味」という文脈において、ソースは、超能力(Psychic Functioning)の獲得と方法論について、‌‌「訓練不要(無料)」であること‌‌、‌‌心を静めることの重要性‌‌、そして‌‌分析やという文脈において、ソースは、超能力(Psychic Functioning)の獲得と方法論について、‌‌「訓練不要(無料)」であること‌‌、‌‌心を静めることの重要性‌‌、そして‌‌分析や先入観を排除すること‌**‌が鍵であると説明しています。

1. 超能力の獲得(訓練の容易さ)

ラッセル・ターグ氏は、長年の研究を通じて、リモート・ビューイング(透視)などの超能力は、誰もがアクセスできる能力であり、獲得のための障壁は非常に低いことを発見しました。

  • ‌訓練は「無料」である:‌‌ ターグ氏は、20年間の研究の後に、リモート・ビューイングは「無料」(free)である、つまり、‌‌凝った訓練プログラム‌‌を受ける必要がないことを発見しました。
  • ‌集中とリラクゼーションの問題:‌‌ 超能力の獲得は、実際には‌‌集中(focus)とリラクゼーション‌‌、そして‌‌心を静めること‌‌(quiet your mind)の問題にすぎません。
  • ‌自宅での実験方法:‌
    1. 友人にキッチンテーブルの上に小さな物体を隠してもらう。
    2. 友人に座ってもらい、その物体に関して何を感じているか、体験しているかを尋ねる。
    3. 数分後に友人に物体を持ってきてもらい、見た要素が正しかったか、記憶や推測に基づく要素は間違っていたかを確認する。
  • ‌分離と学習:‌‌ このような卓上のリモート・ビューイング実験を通じて、被験者は‌‌「精神的なノイズ」から「サイキック・シグナル」を分離する‌‌方法を驚くほど簡単に学ぶことができます。

2. 方法論:心と分析の役割

超能力を効果的に発揮するための方法論において、最も重要な要素は「静かな心」であり、従来の思考プロセスや分析能力はむしろ障害となります。

  • ‌分析は敵である:‌‌ 超能力機能にとって、‌‌分析(Analysis)は敵‌‌です。記憶、想像、分析を取り除くことを学ぶ必要があります。
  • ‌「静かな心」の多用途性:‌
    • 超能力機能(リモート・ビューイング)に必要な静かな心は、‌‌神を知る超越的な経験‌‌を可能にする静かな心と同じです。
    • ‌瞑想的で静かな経験‌‌は、リモート・ビューイングから神を知る超越的な経験に至るまで、すべて‌‌心を静める方法を見つけること‌‌を要求します。
  • ‌ブランク・スレート(白紙)の重要性:‌
    • 本物の超能力者(サイキック)は、リーディングを行う能力を妨げるため、クライアントに対して「こんにちは、何も言わないでください」と伝えます。
    • もしサイキックがクライアントに名前やどこから来たか、何を望んでいるかを尋ねるなら、それは「本物のサイキックではない」とターグ氏は述べています。
    • 超能力者は‌‌白紙の状態(blank slate)‌‌から作業することを望んでおり、クライアントに関する情報が多いほど、リーディングの能力が妨げられることを知っています。
  • ‌分析を排除した方が簡単になる例:‌‌ ターグ氏は、1から10までの数字を当てるよりも、地球上の無限の場所から特定の一点を視覚化して当てる方が、驚くほど簡単であると説明しています。数字当てでは分析と推測が行われてしまいますが、無限の場所を視覚化する場合、「降参して目を閉じ、白紙の状態に対して驚きを探す」姿勢になるためです。

3. グループ内での調和(コヒーレンス)

超能力を活用した共同作業、特にリモート・ビューイングでは、参加者間の調和が重要視されました。

  • ‌「ロング・ボディ」の形成:‌‌ ターグ氏の研究では、リモート・ビューイングや直感を探索する人々が集まると、アメリカン・インディアンが「‌‌ロング・ボディ‌‌」や‌‌「精神の共同体」‌‌と呼ぶ、親密なつながりが生まれることに重点を置いていました。
  • ‌調和と協調性:‌‌ SRIおよび最近の実験のすべてにおいて、ターグ氏のチームはグループ間の‌‌一貫性(coherence)の感覚‌‌に非常に重点を置きました。
  • ‌実験前の準備:‌‌ 各試行の前に、全員が「何をしているのか、それが何を意味するのか、どのような結果を望んでいるのか」について調和がとれていることを確認しました。‌‌プレーヤー全員の間での調和した、一貫した相互作用‌‌は非常に重要だと感じています。

4. 獲得後の姿勢

超能力は強力な「能力」(abilities)であり、それがもたらすエゴの誘惑や、金銭的利益への執着を避けることが、より高次の目的を追求する上で重要です。

  • ‌能力の多様な用途:‌‌ 超能力は、ロシアのスパイ活動、駐車場の検索、車の鍵探し、または‌‌神を体験すること‌‌など、あらゆる目的に使用できます。
  • ‌金銭的利益の軽視:‌‌ 超能力が非常に上達し、確実に銀先物を予測できるようになったとしても、その時点までに‌‌銀に対する関心が薄れている‌‌のが実情でした。ターグ氏らは、銀市場で大金を稼ぐという誘惑は、より価値のあるものを追求するための能力の‌‌瑣末化(trivialization)‌‌のように感じたため、驚くほど興味を失いました。
  • ‌精神的な利点(エンパワーメント):‌‌ リモート・ビューイングは、人生において‌‌人を力づける経験‌‌(empowering experience)であり、運命と経験に対して驚くべき力とコントロールを与え、‌‌より大きな世界に住んでいること‌‌に気づかせてくれます。

超能力の獲得と方法論は、まるで‌‌ピアノ演奏の練習‌‌に例えることができます。多くの人が複雑で高価なレッスンが必要だと考えがちですが、実際には指(心)をリラックスさせ、楽譜(分析や先入観)を忘れて、ただ音(サイキック・シグナル)に集中して奏でること、つまり「静かな心」で臨むだけで、驚くほど簡単にその能力を発揮できる、ということです。そして、演奏が上達しても、その能力を金銭的な利益のためだけに使うのではなく、より感動的な音楽(スピリチュアルな目的)のために使う方が価値がある、という考えがソースには含まれています。

情報源

動画(27:59)

Miracles of Mind,Part Two,with Russell Targ

https://www.youtube.com/watch?v=nHbN6MuydrU

3,600 views 2025/11/15

This video is a special release from the original Thinking Allowed series that ran on public television from 1986 until 2002. It was recorded in about 1990. It will remain public for only one week.

(2025-11-17)