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John Ramirez の「ゼータ・レティクル星系には惑星が存在しない」という主張を fact check したら…

· 約21分

前置き

John Ramirez の以下の主張、

  • ゼータ・レティクル星系説への懐疑: 一般的に「グレイ」の故郷とされるゼータ・レティクル星系(地球から39光年)について、近年の観測では惑星が存在しないことが判明している点を指摘し、この説の信憑性に疑問を呈している。NHIはもっと地球に近い場所から来ている可能性が高いと考えている。

[John Ramirez] : And there's stories about that in the Bible. So if you step back and look at all of the ancient texts, you will notice that, oh my goodness, humans have encountered NHI, and NHI have interacted and influenced humans throughout human history. So that's my take on it. It may not be extraterrestrials from 39 light years away, like Zeta Reticuli, that's a binary star system with no exoplanets. And now that we can see exoplanets, and it's only 39 light years away, which is relatively close to Earth, considering the astronomical scale of distances, there are no exoplanets there. (00:07:06)

ref: John Ramirez: NHI と UFO/UAP を語る

にある

  • ゼータ・レティクル星系(地球から39光年)について、近年の観測では惑星が存在しないことが判明している
  • Zeta Reticuli, that's a binary star system with no exoplanets.

という主張が怪しく感じたので fact-check した。

結果は、否定された。John Ramirez の主張の論旨展開に従えば、

  • ゼータ・レティクル星系から太陽系を観測した場合、太陽系には惑星が存在しない

という誤った帰結になるゆえに。

なお、私は

  • (a) ゼータ・レティクル星系から ET が地球を訪れている
  • (b) contactee/abductee が証言する gray 型 ET は実在だ

という(1990年代以前の UFO 界隈で盛んだった)主張はどちらも間違いだと判断している。それゆえ、a や b を弁護するために John Ramirez のタイトルの主張を fact check したのではない。

John Ramirez の他の主張、たとえば

はまともな理由になっていないし、

彼は自身のキャリアの中で、部下であるエンジニアを「オーブ研究グループ」に派遣したことがあります。そのエンジニアたちは、ラミレス氏自身もアクセス権を持たない、高度な機密情報を取り扱っていました。

ある日、彼がオフィスを見回っていると、そのエンジニアの一人の机の上に、分厚い刊行物が表紙を上にして置かれているのを目撃します。そのタイトルは『UFOの推進システム』といった趣旨のもので、副題には『その仕組み』といった内容が記されていました。

ラミレス氏がその刊行物を見たことに気づいたエンジニアは、慌ててそれを裏返し、金庫にしまいました。これは明確なセキュリティ違反でしたが、この出来事はラミレス氏にある確信を抱かせました。

「政府内部には、UFOの推進技術を解明し、利用しようとするプログラムが確実に存在する」

なぜなら、そうでなければ、このような詳細な報告書が作成されるはずがないからです。

ref: John Ramirez: NHI と UFO/UAP を語る

も噴飯もの(この逸話が事実なら John Ramirez がその逸話を語ること自体が守秘義務違反を冒すことになる)。UFO ファン/マニア を心底から 間抜け だと見くびっていないとこのようなユルユルの理由付けや作り話はできない。

John Ramirez は UFO に関する(1990年代以降に構築された新たな)情報撹乱工作を仕掛けており、タイトルの主張にも裏付けが薄弱であることを自覚した上で述べている筈。

目次

  1. 前置き
  2. 結果
    1. 対話の詳細
  3. 結論
  4. 裏付け(最新の主要ソース)
  5. 科学的な含意(どこまで言えるか)
    1. 判定
  6. 背景
  7. 両者の関連
  8. その後の再解釈
  9. まとめ
  10. 1. 一般的な傾向
  11. 2. ただし相関は完全ではない
  12. 3. 現在の理解
  13. 太陽系のデブリ円盤(例:カイパーベルト)の輝度
  14. 39光年スケールでの見え方
  15. まとめ

結果

AI(ChatGPT 5)で確認した。詳細を AI との対話で示す。

対話の詳細

Me : 以下の見解を fact check して。どの程度の科学的裏付けがあるのかを確認したい。

「ゼータ・レティクル星系(地球から39光年)について、近年の観測では惑星が存在しないことが判明している」

AI

要点だけ。

結論

  • 「ゼータ・レティクル星系(ζ¹/ζ² Reticuli)には‌‌惑星が存在しないことが判明‌‌している」という断定は不正確。現時点で‌‌確認済みの系外惑星はない‌‌が、‌‌存在しないとまでは言えない‌‌。未検出=不存在の証明ではないため。(スカイ・アット・ナイト・マガジン)

裏付け(最新の主要ソース)

  • 2018年、ALMA/ACAでζ²周りの「二葉構造」は‌‌恒星と固有運動を共有せず背景天体‌‌と判明。これによりHerschel/Spitzerが示唆した‌‌デブリ円盤の解釈は否定的‌‌に。ζ²周囲に>3σのミリ波フラックスも検出されず、円盤があるとしても厳しい上限のみが置かれた。(Oxford Academic)
  • 2025年の概説記事(BBC Sky at Night)は、‌‌両星とも確認された系外惑星なし‌‌、1996年のホットジュピター示唆は‌‌撤回済み‌‌、そして‌‌木星・土星級‌‌の惑星は少なくとも観測的に‌‌否定的‌‌である旨をまとめている。(スカイ・アット・ナイト・マガジン)
  • 一般向けまとめや百科の更新でも‌‌「既知の惑星なし」‌‌という整合した記述。※二次情報だが上記査読論文と矛盾しない。(ウィキペディア)

科学的な含意(どこまで言えるか)

  • ‌強く言えること‌

    • ζ²の‌‌顕著なデブリ円盤証拠は否定‌‌された(背景源だった)。したがって「円盤が惑星存在を示唆」という従来の話は成り立たない。(Oxford Academic)
    • 既存の‌‌ドップラー(HARPS等)やトランジット探査‌‌で見つかりやすい‌‌ホットジュピター級‌‌は、いれば高確率で検出されていたはずで、‌‌少なくともそのクラスは不在の可能性が高い‌‌。(スカイ・アット・ナイト・マガジン)
  • ‌言えない(まだ否定できない)こと‌

    • ‌地球~海王星級‌‌の小質量惑星、あるいは‌‌長周期の寒冷巨大惑星‌‌の‌‌存在までを一般に否定はできない‌‌。これは手法ごとの感度・時間基線に依存するため(未検出は検出限界内の非存在しか示さない)。(ESO)

判定

  • 主張の真偽:‌‌過剰断定(ミスリーディング)‌

    • 正確な表現:「‌‌2025年時点でζ¹/ζ² Reticuliには確認済みの系外惑星はない。過去のデブリ円盤主張はALMAで否定的になった。ただし小型・長周期惑星の可能性は残る。‌‌」(Oxford Academic)

必要なら、検出上限(質量・公転周期)の一次文献をさらに掘って、どの程度の惑星までなら排除できるか(例:K振幅、周期域ごとの上限)を整理する。

Me: 惑星の存在と「Herschel/Spitzerが示唆したデブリ円盤の解釈」の関連について、後者が前者と具体的にどのような関わりがあるのかを解説して。

AI

背景

  • ‌HerschelやSpitzer‌‌ は赤外線観測によって ζ² Reticuli の周囲に赤外超過(IR excess)を検出したと解釈され、それが「冷たい塵のデブリ円盤(Kuiper Belt のような構造)が存在するのではないか」という仮説につながった。
  • ‌デブリ円盤の存在は間接的に惑星存在の可能性を示唆‌‌する。なぜなら、塵は恒星風や放射圧で比較的短時間(数百万年程度)に散逸してしまうため、長期的に塵を供給し続ける仕組み(=惑星の重力攪乱による小天体の衝突や粉砕)が必要と考えられるから。

両者の関連

  1. ‌円盤=惑星形成の残滓‌

    • デブリ円盤があれば「かつて惑星形成があった」と考えるのが自然。
    • 太陽系で言えば、木星や海王星の存在が小惑星帯やエッジワース・カイパーベルトの構造を支えているのと同じ。
  2. ‌円盤構造から惑星の存在を推測‌

    • 不均一な明るさ・二重環・空隙などが観測されれば、それは惑星が円盤を彫刻した証拠とされることが多い。
    • ζ²についてはHerschel/Spitzerが見た構造が「円盤の非対称」だと一時解釈された。
  3. ‌惑星探査への波及‌

    • 円盤があれば系外惑星の探索対象として注目され、精密ドップラー法や直接撮像の候補となる。
    • 逆に円盤がなければ、惑星形成の痕跡が薄い系と見なされることもある。

その後の再解釈

  • ‌ALMAの高分解能観測(2018年)‌‌では、Herschel/Spitzerが示した構造は ζ²と同じ固有運動をもたず、‌‌背景銀河由来のシグナル‌‌だったと判明。
  • つまり、‌‌円盤があるという根拠自体が崩れた‌‌。これにより「惑星が存在するはずだ」という間接的推論も弱まった。

まとめ

  • ‌Herschel/Spitzerの円盤解釈‌‌は、惑星存在を裏付ける「間接証拠」として注目されていた。
  • しかし ‌‌ALMAで否定的に再解釈された結果、惑星存在を示唆する根拠は失われた‌‌。
  • 現在言えるのは「ζ¹/ζ² Reticuliには確認された円盤も惑星もない。ただし小型や遠方の惑星を否定するものではない」という点にとどまる。

Me: …ということは、「惑星をもつ恒星系の多くでは円盤構造が観測されている」という証拠データが既に積み重なっているということですね?

AI

はい、ただし少し整理が必要です。

1. 一般的な傾向

  • ‌若い恒星系(数百万〜数億年)‌‌では、惑星形成の残滓である‌‌原始惑星系円盤やデブリ円盤‌‌が赤外線やサブミリ波でよく検出される。
  • こうした円盤が見つかった星の一部では、後に惑星も発見されており、「円盤→惑星の可能性が高い」という関係は経験的に支持されている。

例:

  • ‌β Pic(βピクトリス)‌‌:デブリ円盤が有名で、後に巨大惑星が直接撮像された。
  • ‌HR 8799‌‌:明瞭なデブリ円盤と複数惑星を持つことが確認された。

2. ただし相関は完全ではない

  • ‌円盤はあるが惑星が未発見の系‌‌も多数ある(観測感度の限界で小型惑星は見えないことが多い)。
  • ‌惑星はあるが円盤が弱い/検出できない系‌‌も多い。太陽系も外部から観測すればデブリ円盤はかなり淡く、距離が離れていれば検出困難。
  • デブリ円盤の有無は、惑星形成史や小天体群の衝突頻度などに左右されるため、必ずしも惑星の存在と1対1対応ではない。

3. 現在の理解

  • ‌統計的には‌‌「デブリ円盤をもつ星は惑星をもつ確率が高い」ことが示唆されている。
  • 特に‌‌遠方の巨大惑星(海王星サイズ以上)‌‌と‌‌明瞭なデブリ円盤‌‌は関連が強いと考えられている。
  • しかし「円盤があれば必ず惑星」「惑星があれば必ず円盤」というレベルまでは到達していない。

要するに、‌‌円盤は惑星形成や存在を示唆する有力な手がかり‌‌である一方で、観測技術や系の進化段階によって見えたり見えなかったりするので、あくまで‌‌統計的な相関関係‌‌として捉えるのが正確です。

ここでさらに補足すると、統計研究では「デブリ円盤を持つ星は、持たない星に比べて巨大惑星を持つ確率がどれくらい高いか」といった数値が出ています。その割合まで知りたいですか?

Me: その「太陽系も外部から観測すればデブリ円盤はかなり淡く、距離が離れていれば検出困難。」という時の、距離とは例えば、地球から39光年離れたゼータ・レティクル星系から太陽系を観測した場合のような距離感(=距離のスケール)ですか?

AI

そうです、そのスケール感で考えていただいて大きく外れません。

太陽系のデブリ円盤(例:カイパーベルト)の輝度

  • 太陽系の外縁天体由来の塵は、‌‌光学的厚みが極めて小さい‌‌(非常に希薄)ため、太陽からの距離を離れて観測した場合、赤外線・サブミリ波のフラックスはとても弱い。
  • 例えば ‌‌IRAS, Spitzer, Herschel‌‌ といった赤外線望遠鏡は、地球から見て‌‌数十パーセク(数百光年)程度‌‌までの明るいデブリ円盤は検出できるが、太陽系のような淡い円盤を数十光年先から観測するのは困難とされる。

39光年スケールでの見え方

  • ζ² Reticuliは‌‌約39光年(12パーセク)‌‌先です。

  • 仮にこの位置から太陽系を眺めた場合、太陽系の赤外線超過は‌‌HerschelやSpitzerでかろうじて検出できるかどうか‌‌というレベル。

    • 実際に「太陽系は他のデブリ円盤ホスト星に比べると“ダスト貧弱”」という評価が論文でもよく言及される。
  • β Pic や HR 8799 のような強い赤外超過を持つ円盤なら39光年先からも簡単に見えるが、太陽系のように淡い円盤はその距離では目立たない。

まとめ

  • 「39光年」くらいの距離は、まさにζ² Reticuliから太陽系を観測するイメージでちょうどよい。
  • その場合、‌‌太陽系のデブリ円盤は非常に検出しにくい‌‌。
  • したがって「円盤が観測されない=惑星がない」とは必ずしも言えず、「淡くて見えないだけ」というケースが十分にありうる。

さらに踏み込んで、具体的に「太陽系の赤外線超過をどの距離までなら現在の観測で検出できるか」の見積もりを文献から探しますか?

(2025-09-10)