Aaron Deese + Alexander Petakov : テキサス州の「踊る悪魔」の調査を語る
前置き
テキサス州の「踊る悪魔」…この正体は、ホラ話だろう。テキサスはこの手のホラ話(tall tale)の本場。悪魔の化身を誰が追い詰める? 一斉にその場から逃げ出すだろうに。そもそも目撃証言すら一致しない。
要旨
超常現象探求の舞台裏
この資料は、「オブザーバーから冒険者へ:超常現象の探求」と題されたアノマコン2025でのアーロン・ディースとアレクサンダー・ペタコフによるプレゼンテーションの文字起こしです。
二人は、自身が「スモールタウン・モンスターズ(Small Town Monsters、STM)」でそれぞれ作家・プロデューサー、および 映画制作者・プロデューサーとして活動するまでの個人的な変遷を共有しています。
彼らは、超常現象の「熱狂的なファン」から「フルタイムの調査員(研究者)」になった経緯を語り、誰もが超常現象の分野に貢献できるというメッセージを強調しています。
また、ビッグフット調査や書籍執筆のアドバイス、そして彼らが訪れたポイント・プレザントやブラフ・クリークなどの象徴的な場所での体験談も含まれています。
目次
- 要旨
- オブザーバーから冒険者へ:超常現象探求に関するブリーフィング
- サンアントニオの踊る悪魔 (El Camaroncito)
- アーロンとアレクサンダーが語る、超常現象調査の魅力:オブザーバーから冒険者へ
- Bluff Creek : Patterson-Gimlin film の撮影地
- Point Pleasant : Mothman の発祥地
- Plum Creek の Dogman
- Bennington Triangle
- 情報源
- 文字起こし(話者識別)
オブザーバーから冒険者へ:超常現象探求に関するブリーフィング
エグゼクティブサマリー
このブリーフィングは、Anomicon 2025のプレゼンテーション「オブザーバーから冒険者へ:未知への探求」から得られた主要なテーマと洞察をまとめたものである。Small Town Monsters (STM) のアーロン・ディースとアレクサンダー・ペタコフは、単なる超常現象の愛好家から、この分野のコンテンツ制作者および研究者へと至った自らの経験を語った。
本プレゼンテーションの核心は、超常現象の研究やコンテンツ制作は誰にでも開かれており、特別な資格や名声は不要であるというメッセージである。両氏は、自身の個人的な体験談や、記憶に残る現地調査の事例(テキサス州の「踊る悪魔」、カリフォルニア州のブラフ・クリークなど)を共有した。さらに、これから活動を始めたい人々に対し、ビッグフット研究の始め方、書籍執筆のプロセス、そして最も重要な点として、野外調査における安全確保の徹底について具体的なアドバイスを提供した。彼らの哲学は、情熱を持って行動を起こすことの重要性を強調しており、すべての愛好家がこの分野の会話に参加し、貢献することを奨励している。
1. イントロダクション:スピーカーとSmall Town Monsters (STM)
本プレゼンテーションは、超常現象ドキュメンタリー制作会社Small Town Monsters (STM) に所属するアーロン・ディースとアレクサンダー・ペタコフによって行われた。彼らは、自身たちが愛好家から専業の研究者・制作者へと変貌を遂げた経験を共有することを目的としている。
- アーロン・ディース (Aaron Deese): STMのライター兼プロデューサー。ポッドキャストネットワークとソーシャルメディアの運営を担当。書籍の執筆も手掛ける。
- アレクサンダー・ペタコフ (Alexander Petakov): STMの映画監督兼プロデューサー。数多くのドキュメンタリー、ウェブシリーズ、ドキュシリーズの監督・撮影・制作を担当。
- Small Town Monsters (STM): 未確認生物に関するドキュメンタリーを制作する会社。YouTubeや各種ストリーミングプラットフォームで作品を配信しており、書籍の映画化など多岐にわたるプロジェクトを展開している。
主な制作シリーズ(アレクサンダー担当):
- Bigfoot Beyond the Trail
- Dark Coast
- Hunt for the Alaskan Bigfoot
- Strange Places
- The Appalachian Bigfoot Files
- On the Trail of Champ
2. 愛好家から制作者への道の り
両氏は、超常現象への興味がどのようにしてキャリアへと発展したか、その個人的な経緯を語った。
2.1. 興味の原点
- アーロン・ディース: 13、4歳の頃に映画『モスマンの予言』を鑑賞し、原作がノンフィクションであることに衝撃を受ける。「もしこの話が一つでも本当なら、我々が現実について理解していると思っていることすべてが疑わしくなる」と感じ、世界観が完全に変わった。
- アレクサンダー・ペタコフ: 子供の頃に父親から聞いたヒマラヤのイエティの話に魅了される。90年代の『X-ファイル』や『MonsterQuest』といったメディア、そしてインターネット黎明期のクリプトズーロジー(未確認動物学)に関するブログや書籍に大きな影響を受けた。大学卒業後、アウトドア、映画制作、クリプトズーロジーという3つの情熱を組み合わせることを決意した。
2.2. Small Town Monsters (STM) への参加経緯
両者のSTMへの参加は、既存の名声や人脈ではなく、自発的な創作活動がきっかけとなっている。
- アレクサンダー・ペタコフ: 卒業後、スコットランドのネス湖を訪れ、自主制作で短いドキュメンタリーを制作。その作品をYouTubeで公開したところ、STM創設者のセス・ブリードラブの目に留まり、メールで連絡を受けた。これがきっかけとなり、2017年から2018年にかけて『On the Trail of Champ』シリーズを制作することになった。
- アーロン・ディース: 2019年頃、セスの監督作品『The Mothman of Point Pleasant』を観て感銘を受け、STMのファンになる。ソーシャルメディアで交流を始め、やがて自身のポッドキャスト『Hey Strangeness』を開始。最終的にSTMで書籍を執筆する機会を得て、それがフルタイムの仕事へと繋がった。
アーロンは、「この世界に参加するには、既存の信頼性や名声が必要だと多くの人が考えているが、文字通り誰でもこの会話に参加できる」と強調した。
3. 主要な調査事例と現地での経験
プレゼンテーションでは、両者が個人的に調査した、あるいはSTMのプロジェクトで訪れた印象的な事例や場所がいくつか紹介された。
| 事例/場所 | スピーカー | 概要と要点 |
|---|---|---|
| エル・カマロンシートの踊る悪魔 | アーロン | 初調査: テキサス州サンアントニオの地元伝説。1975年のハロウィンの夜、ナイトクラブに現れた謎の男が、ヤギの蹄(または鶏の足)をしていたという話。硫黄の匂いを残して姿を消し たとされる。この話は、1500年代のアイルランドの「ヘルファイア・クラブ」の伝説とモチーフ(蹄、硫黄の匂い)が共通しており、非常に興味深い。 |
| ネス湖の怪獣 | アレクサンダー | 初調査: 自主制作ドキュメンタリーの題材。しかし、湖の生態系や食料源を徹底的に調査した結果、以前よりも懐疑的な見方になったと語る。 |
| ブラフ・クリーク | アレクサンダー | 印象的な場所: カリフォルニア州北部にある、有名なパターソン・ギムリン・フィルムの撮影地。「この分野に興味があるなら訪れるべき場所」と感じ、その隔絶された環境と美しさに感銘を受けた。滞在中には奇妙な雄叫びのような音を聞く体験もした。 |
| ポイント・プレザント | アーロン | 印象的な場所: ウェストバージニア州にあるモスマン伝説の地。映画やドキュメンタリーで見た建物を実際に目にし、深夜2時の誰もいない路上に立った時、「信じられないほど素晴らしい、言葉で表現しがたい感覚」を覚えた。 |
| プラム・クリークの怪物 | アーロン | 印象的な場所: テキサス州の「ドッグマン・トライアングル」の一部。狼男のような生物の目撃談がある場所。元々の目撃者の一人であるジェームズ・ウィッター氏にインタビューを行い、彼が馬に乗って投げ縄でその生物を捕まえようと追いかけたという壮絶な話を聞いた。 |
これらの経験から、彼らは「自分が住んでいる場所のすぐ近くにも、調査対象となる幽霊、怪物、UFOの目撃情報、埋蔵金の伝説などが存在する可能性が高い」と述べ、身近な謎を探求することを奨...奨めている。
4. これから始める人への実践的アドバイス
プレゼンテーションの後半では、超常現象の研究やコンテンツ制作を始めたい人々への具体的なアドバイスが提供された。
4.1. ビッグフット研究の始め方(アレクサンダー・ペタコフ)
- 心構え: 心を開きつつも、何でも信じ込むのではなく、批判的な視点を忘れないことが重要。
- 情報収集: ネット上には質の低い情報が溢れているため、一次情報源(古い書籍、原稿、目撃者本人への接触)を探す努力が必要。グローバー・クランツ、ジョン・グリーン、ジェフ・メルドラムなど、古典的な研究者の文献を読むことを推奨。
- 野外調査の安全性:
- wilderness(荒野)を過小評価しないこと。 準備不足は致命的な結果を招く可能性がある。
- 天候への備え、水分、食料、そして非常時の通信手段(例:Garmin inReachのような衛星GPSコミュニケーター)を必ず用意する。
- 現地の野生動物(クマ、毒ヘビ など)に関する知識を持つこと。
- 無理は禁物。「山は明日もあるが、あなたはいないかもしれない」という意識で、危険を感じたら引き返す勇気を持つ。
- 単独行動は避け、複数人での行動を推奨。
- 調査方法:
- 高価な機材は必須ではない。「ビッグフット探しは目的のあるキャンプのようなもの」と捉え、楽しむことが大切。
- 「常に音声を録音せよ(Always roll audio)」。映像よりも音声の方が長時間録音しやすいため、奇妙な物音がした際に証拠として残せる。
- 最高の目撃談の多くは、ビッグフットを探していない人々(林業従事者、ハイカーなど)によって報告されている。
4.2. 書籍の執筆方法(アーロン・ディース)
- プロセス: アイデア → 概要 → 草稿 → 破壊 → 修正 → 繰り返し という継続的なプロセスである。
- 最も重要なアドバイス: 「とにかく書き始めること(Just start writing)」。「溝掘り職人は溝を掘り、作家は書く」という言葉を引用し、行動の重要性を説いた。
- インポスター症候群の克服: 「自分にはできない」といった否定的な感情を無視し、毎日少しずつでも書き進めれば、いずれ本は完成する。
- 資格は不要: 動物学の学位のような専門資格は必須ではない。この分野の美しさは「誰でも歓迎される」点にある。
5. 結論と哲学
両者のプレゼンテーションは、超常現象の探求がエリートだけのものではなく、情熱を持つすべての人に開かれた分野であるという力強いメッセージで締めくくられた。
- 包括性: 「テーブルには全ての人のための席がある」。誰もが独自の視点やアイデアを持ち寄り、貢献することができる。
- コミュニティによる前進: 愛好家一人ひとりが貢献を積み重ねることが、この分野全体を前進させる力となる。
- 行動の奨励: 彼ら自身も「ごく普通の人間」であり、情熱を追求した結果として現在の立場にある。もし何かをやりたいという気持ちがあるなら、後で後悔しないように挑戦すべきだと聴衆に呼びかけた。
最終的に、このプレゼンテーションは、単なる体験談の共有に留まらず、次世代の探求者やクリエイターを鼓舞するための、実践的かつ哲学的なガイドとして機能した。
サンアントニオの踊る悪魔 (El Camaroncito)
これらのソースは、サンアントニオの踊る悪魔(El Camaroncito)に関する物語を、Aaron Deese(アーロン・ディース)がフルタイムの調査員(調査者)となる以前に行った、個人的かつ初期の熱心な調査の一例として説明しています。
Aaronにとって、超常現象への関心は13歳か14歳のときに映画『プロフェシー』を観て、その原作(ノンフィクションに分類されていた)を読んだことに始まります。これにより、彼は現実に対する見方を完全に変えられました。その後、2019年か2020年にSmall Town Monsters(STM)との関わりを持つようになりますが、サンアントニオの踊る悪魔の伝説は、彼が最初に深く調査した、あるいは熱心に研究した事例として挙げられています。
以下は、サンアントニオの踊る悪魔(El Camaroncito)についてソースが伝えている詳細です。
1. 伝説の概要とアーロンの個人的なつながり
- 名前と場所: この伝説は「サンアントニオの踊る悪魔(The Dancing Devil of El Camaroncito)」として知られています。El Camaroncitoはかつてテキサス州サンアントニオのウェストサイドにあったナイトクラブで、その名前は「小さなエビ」を意味します。
- 発生時期: 物語は1975年のハロウィーンの夜に起こったとされています。人々がクラブに集まり、仮装をしてダンスを楽しんでいる最中に、白いスーツを着た謎のよそ者(ストレンジャー)が入ってきました。
- 地域性: ナイトクラブがあったウェストサイド・サンアントニオは、世代を超えて地域に住む人々の結びつきが強く、ほとんどの人が互いを知っている閉鎖的なコミュニティの中心地です。
- アーロンの関心: Aaronの妻がこの出来事が起こった場所からわずか2ブロック離れた場所で育ったため、彼はこの話に特に思い入れがあります。彼は、妻側の家族がこの話を聞いて育ち、「いとこがそこにいた」「おじがそこにいた」と話すのを知っているため、この物語が非常に素晴らしいと感じています。
- 現在の場所: 伝説の場所は改装され、現在はラ・ミチョアカーナ精肉店(La Michoacana meat market)の420番目の店舗になっています。
2. 悪魔の正体と逃走
- 悪魔 の足: 謎のストレンジャーは素晴らしいダンサーでしたが、誰かが彼の足を見てしまいます。この足の描写にはいくつかのバリエーションがあります。
- ヤギの蹄を持っていたという説。
- 鶏の足だったという説。
- 片方ずつ持っていたという説(これは、誰に尋ねるか、どのブロック出身かによって変わります)。
- 逃走: ハロウィーンにもかかわらず、その足があまりにもリアルだったため、人々はパニックになり、暴徒が形成されました。彼らはストレンジャーを店の奥の部屋まで追い詰めますが、彼は窓から逃げるか、あるいは空気中に消えてしまったとされています。
- 痕跡: どちらのバージョンの逃走においても、彼は硫黄、または火山灰のような長引く臭いを残していきました。硫黄の臭いは、しばしば悪魔のしるしとして(火や火山と関連付けられ)キリスト教中心の物語で語られるモチーフであるとAlex Petakov(アレクサンダー・ペタコフ)は指摘しています。
3. より大きな文脈:普遍的なモチーフ
Aaronは、このサンアントニオの物語が単なる地域の伝説ではないことに興味を持っています。
- アイルランドの類似譚: 彼は、1500年代に遡るアイルランドの「ヘルファイア・クラブ(Hellfire Club)」の物語との類似性を見出しています。
- 共通の要素: ヘルファイア・クラブ(悪魔崇拝者と噂されていた)に謎のストレンジャーが現れ、カードゲーム中に誰かが彼の足を見ると、ヤギの蹄があったことが判明します。その人物は姿を消し、やはり硫黄の臭いを残します。
- アーロンの結論: Aaronは、このモチーフが1500年代のアイルランドと1975年のテキサス州サンアントニオという隔絶した場所と時代に出現するという事実に魅力を感じています。
4. 教訓的な物語としての機能
Aaronは、この物語が地元のコミュニティで教訓的な話として使われてきた点を強調しています。この伝説は、「門限を破るな」「こっそり出かけるな」「母親の言うことを聞け」といった警告として使われていました。オンラインで見られる一般的なバージョンでは、ダンスに行くことを禁じられた若い女性が母親の言いつけに逆らったという話になっています。
Aaronは、サンアントニオの踊る悪魔の調査を通して、彼自身のような人々(本を書き、映画を作る人々)が話題にする前から、この物語が地域社会に存在していたことを知るきっかけとなりました。彼は、世界中の どこにいても、幽霊、モンスター、UFO、埋蔵金など、調べられる「何か」が近くにある可能性が高いという教訓をこの話に結びつけています。
アーロンとアレクサンダーが語る、超常現象調査の魅力:オブザーバーから冒険者へ
1. はじめに:誰もが探求の旅に出られる
このドキュメントは、超常現象ドキュメンタリー制作チーム「Small Town Monsters (STM)」のアーロン・ディーズとアレクサンダー・ペタコフによるプレゼンテーション「オブザーバーから冒険者へ」で語られた、興味深く、示唆に富んだ超常現象の事例を紹介するものです。
アーロンはSTMのライター兼プロデューサーとして、ポッドキャストや書籍執筆を手がけています。一方、アレクサンダーはフィルムメーカーとして、数々のドキュメンタリーやウェブシリーズの監督・制作を担当しています。彼らは、単なる超常現象のファンから、その謎を追う最前線の冒険者へと歩みを進めてきました。
彼らがプレゼンテーションを通して最も伝えたかったメッセージは、非常にシンプルで力強いものです。それは、「特別な資格や知名度がなくても、誰でも超常現象の会話に参加し、貢献できる」 ということ。専門的な学位や高価な機材がなくても、あなたの情熱と好奇心こそが、未知の世界への扉を開く鍵なのです。
では、彼らがどのようにして単なるファンから調査の最前線へと足を踏み入れたのでしょうか?まずはアレクサンダーがキャリアを始めるきっかけとなった、有名なあの湖の怪物から見ていきましょう。
2. 最初の挑戦:アレクサンダーとネス湖の謎
アレ クサンダーが本格的に調査に取り組んだ最初の重要な事例は、世界で最も有名な未確認生物の一つ、「ロックネス・モンスター(ネッシー)」でした。
ネス湖は、アレクサンダーが子供の頃から愛してやまない場所でした。大学卒業後、ヨーロッパを旅する中でスコットランドのネス湖を訪れた彼は、その長年の想いを形にするため、短いドキュメンタリーを制作しました。しかし、徹底的なリサーチの結果、彼は意外な結論にたどり着きます。それは、調査前よりもネッシーの実在に対してより懐疑的になったということでした。
彼がそう考えるに至った主な理由は以下の通りです。
- 生態学的な疑問: 湖の生態系を調査した結果、巨大な生物の群れが生き延びるために必要な食料資源が、ネス湖には不足していると考えた。
- 徹底的な探索: 過去にソナー調査など、非常に高度で徹底的な探索が何度も行われてきたにもかかわらず、決定的な証拠が見つかっていない。
しかし、この調査は彼にとって無駄ではありませんでした。むしろ、彼の人生における「重要な転機」となったのです。ネッシーの実在には疑問を抱いたものの、彼が制作しYouTubeに公開したこのドキュメンタリーが、STMの創設者であるセス・ブリードラブの目に留まりました。これがきっかけとなり、アレクサンダーはSTMの世界へと足を踏み入れ、プロのフィルムメーカーとしてのキャリアをスタートさせたのです。
アレクサンダーが海の向こうでキャリアの扉を開いた一方で、アーロンは自分自身の裏庭にこそ、時空を超える謎が潜んでいることを見出します。彼が情熱を注ぐ、地元テキサスに伝わる悪魔 の伝説です。
3. 地元の伝説と世界の共鳴:アーロンと「踊る悪魔」
アーロンが特に情熱を傾けているのが、地元テキサス州サンアントニオに伝わる「エル・カマロンシートの踊る悪魔」の伝説です。これは彼にとって単なる調査対象ではありません。彼の妻が、事件があったとされる場所からわずか2ブロックの場所で育ったという、極めて個人的な繋がりを持つ物語なのです。
物語の舞台は、1975年のハロウィーンの夜。町のナイトクラブで起きたとされる出来事は、おおよそ次のようなものです。
- 人々が仮装して踊るクラブに、白いスーツを着た謎めいた男が現れる。
- 男は並外れたダンスの腕前で、次々と女性を魅了していく。
- その時、誰かが男の足元に目をやり、叫び声を上げる。彼の足は人間のものではなく、なんと動物の足だった。
- 正体を知られた男に人々はパニックになり、彼を追い詰める。
- 男はバスルームの窓から逃げるか、あるいは煙のようにその場で消え、後には硫黄のような匂いだけが残った。
この「悪魔の足」については、話が伝わる地域によっていくつかのバリエーションが存在します。
| バリエーション | 足の特徴 |
|---|---|
| パターン1 | ヤギのひづめ |
| パターン2 | ニワトリの足 |
| パターン3 | 片足ずつ、ヤギとニワトリの足が混在している |
この物語がアーロンにとって非常に魅力的なのは、単なる地元の怪談に留まらない点です。このテキサスの伝説は、時と場所を遥かに超えた別の物語と、驚くほど似通ったモチーフを共有しているのです。
1500年代のアイルランドにも、「ヘルファイア・クラブ」と呼ばれる場所で、カードゲームの最中に現れた謎の男がヤギのひづめを持ち、正体を見破られると硫黄の匂いを残して消えたという伝説があります。全く異なる時代と場所で、同じモチーフの物語が語り継がれているという事実は、この現象の奥深さを示唆しています。
身近な伝説が時空を超えて共鳴するように、超常現象の目撃談は、時に常識を揺るがすほどの迫力を持っています。最後に紹介するのは、カウボーイが人狼を追いかけたという、テキサスの荒野で起きた驚くべき事件です。
4. カウボーイ対人狼:プラム・クリーク・モンスターの追跡
次に紹介するのは、1980年代にテキサス州ロックハート近郊のプラム・クリークで目撃された、「直立した犬のような生物(ドッグマン)」の事例です。この場所もまた、アーロンの祖母が暮らしていた家のすぐ近くであり、彼にとって個人的な繋 がりを感じさせる場所でした。
この事件の中心的な目撃者は、ジェームズ・ウィッター氏。彼はその生涯を牧場での仕事に捧げてきた、「文字通りのカウボーイ」と呼ぶにふさわしい人物です。長年メディアから遠ざかっていたウィッター氏でしたが、STMのヘザー・モジアーの尽力によって、ついにインタビューが実現しました。彼の証言は、他の多くの目撃談とは一線を画す、壮絶なものです。
STMのインタビューでウィッター氏が語ったのは、彼が馬に乗り、投げ縄を手に2体の怪物を全力で追跡したという驚くべき体験でした。彼は本気で怪物を捕獲しようとしたのです。しかし、怪物は彼の馬では到底越えられない高さの柵をいとも簡単に飛び越え、森の中へと姿を消してしまいました。
この事例が示す重要な点は、「オリジナルの目撃者に直接話を聞き、彼らの生の証言を記録として保存することの価値」です。噂話やインターネットで拡散される「TikTokバージョン」の物語は、時間が経つにつれて尾ひれがつき、元の話から歪んでしまいがちです。STMが実践するように、当事者から直接一次情報を得て、その物語を歪曲される前に後世に残すことは、失われゆく歴史を保存する、極めて重要な活動なのです。
これらの事例が示すように、超常現象の探求は遠い世界の出来事ではありません。アーロンとアレクサンダーが最後に伝えたかったのは、この冒険の扉は、私たち自身のすぐそばにあるということです。
###5. 結論:あなたの冒険が待っている
アーロンとアレクサンダーのプレゼンテーションが私たちに伝える最終的なメッセージは、超常現象の研究は誰にでも開かれた、 エキサイティングな探求であるということです。彼らの経験から得られた、これから探求を始めたいと考える人々へのアドバイスを以下にまとめます。
- 身近な場所から始めよう: あなたの町にも、まだ知られていない不思議な物語が眠っているかもしれません。
- 誰もが参加できる: 専門的な学位や資格は必要ありません。あなたの視点や貢献が、謎を解く新たな一手になる可能性があります。
- 物語を記録しよう: 目撃者の話に耳を傾け、その体験を記録することは、非常に価値のある活動です。
- 旅そのものを楽しもう: 目的は、必ずしも決定的な証拠を見つけることだけではありません。調査のプロセス自体が、豊かな経験となります。
彼らが示した道は、まさに「オブザーバー(観察者)からアドベンチャラー(冒険者)へ」。この世界の不思議に心を動かされたなら、次はあなたがページをめくり、自分自身の物語を始める番です。冒険は、すぐそこに待っています。
Bluff Creek : Patterson-Gimlin film の撮影地
「印象的な訪問地」というより大きな文脈において、これらのソースは、カリフォルニア州のBluff Creek(ブラフ・クリーク)が、Alexander Petakov(アレクサンダー・ペタコフ)にとって最も興奮し、個人的な「すごい」という感情を抱)が、Alexander Petakov(アレクサンダー・ペタコフ)にとって最も興奮し、個人的な「すごい」という感情を抱いた初期の場所の一つであったこと、そしてビッグフットの謎を追求する者にとって必見の場所であることを強調しています。
Bluff Creekについての主な点は以下の通りです。