Peter Robbins + Larry Warren : Rendleshalm UFO 事件を語る
前置き
2015-10-08 収録の動画(2015-11-28 に up)から。この時点では Peter Robbins はまだ Larry Warren とは決別しておらず、Larry Warren の証言を事実だとアピールしている。
関連
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Peter Robbins の Web サイト記事 : Larry Warren 批判
要旨
レンドルシャム事件の経験者と著者
この音源は、1980年のレンドルシャム・フォレスト事件に焦点を当てた、ポッドキャスト番組『フェノ メノン・レディオ』のエピソードの文字起こしです。
この番組は、ジョン・バロウズとリンダ・モールトン・ハウがホストを務め、元空軍兵ラリー・ウォーレンと、彼の著書の共著者ピーター・ロビンズをゲストに迎えています。
ウォーレンは、事件の翌年に軍を離れ、1983年に最初にこのUFO遭遇事件を公にした人物であり、その証言と、チャールズ・ホルト中佐の公式メモの公開に至るまでの経緯を詳述しています。
また、ウォーレンとロビンスは、事件の物理的証拠として採取された土壌分析の結果についても議論し、目撃者への軍からの脅迫や情報操作の試みといった、事件の論争的な側面にも触れています。
目次
- 前置き
- 要旨
- レンデルシャムの森事件:ラリー・ウォーレンとピーター・ロビンスによる証言と調査のブリーフィング
-
レンデルシャムの森事件に関するインシデント報告書
- 1.0 事件概要 (Incident Summary)
- 2.0 関係者情報 (Personnel Involved)
- 3.0 時系列による事象の経過 (Chronological Progression of Events)
- 4.0 目撃された物体および現象の詳細分析 (Detailed Analysis of Witnessed Objects and Phenomena)
- 5.0 事件後の対応と影響 (Post-Incident Actions and Effects)
- 6.0 証言の矛盾点と特記事項 (Discrepancies in Testimony and Noteworthy Items)
- レンデルシャムの森事件:情報公開と隠蔽工作に関する調査ジャーナル
- レンデルシャムの森の夜:ラリー・ウォーレンが見た真実
- レンデルシャムの森事件:主要登場人物ガイド
- Larry Warren の証言と役割
- その他の主要目撃者と出来事
- 調査と論争
- 情報源
レンデルシャムの森事件:ラリー・ウォーレンとピーター・ロビンスによる証言と調査のブリーフィング
要旨
このブリーフィング文書は、1980年12月に英国のRAFベントウォーターズ・ウッドブリッジ空軍基地周辺で発生した「レンデルシャムの森事件」に関するポッドキャストの文字起こしを統合・分析したものである。特に、事件の最初の内部告発者である元米空軍兵ラリー・ウォーレン氏と、彼の著書の共著者であるピーター・ロビンス氏の証言と調査に焦点を当てる。
本文書で詳述する主要な点は以下の通りである。
- ラリー・ウォーレンの証言: ウォーレン氏は、事件3日目の夜(1980年12月27日深夜から28日未明)に、森林に隣接するキャペル・グリーンと呼ばれる野原で、物理的な航空機と非人間的な存在との遭遇を直接目撃したと主張している。彼の証言には、基地司令官ゴードン・ウィリアムズ大佐が現場にいたこと、複数の映画カメラが設置されていたこと、そして物体との間でテレパシーによる「相互作用」があったことが含まれる。
- 物理的証拠: ピーター・ロビンス氏が主導した調査により、ウォーレン氏が物体の着陸地点と特定した場所から採取された土壌サンプルから、科学的に異常な結果が示された。これには、土壌のpH値の劇的な変化、4倍以上の鉄分含有量、そして最も重要な点として、砂が溶けてシリカ(ガラスの中間形態)に変化していたことが含まれる。この物理的証拠は、心理作戦(PsyOp)や誤認といった説明を覆す強力な根拠となる。
- 矛盾と論争: ウォーレン氏の証言は、長年にわたり論争の的となってきた。特に、彼が最初に事件を公にした1983年の「ニュース・オブ・ザ・ワールド」紙の記事内容(彼はインタビューを否定)、同僚のエイドリアン・バスティンザ軍曹の体験談との混同、そして当時の基地副司令官チャールズ・ホルト 中佐による長年の存在否定が挙げられる。
- 脅迫と隠蔽工作: ウォーレン氏を含む複数の目撃者は、事件について口外しないよう「弾丸は安い」といった直接的な脅迫を受けたと証言している。また、ウォーレン氏は事件後、空軍から不可解な形で除隊させられており、組織的な隠蔽工作の存在が示唆される。
結論として、レンデルシャムの森事件は、複数の信頼性の高い軍関係者の目撃証言、公式文書(ホルト・メモ)、そして強力な物理的証拠が組み合わさった、UFO研究史上最も重要な事例の一つである。事件から数十年が経過した今もなお、目撃者間の対立や情報の混乱が続いているが、その核心には、通常の説明では解明できない異常現象が存在することが強く示唆されている。
1. 1980年レンデルシャムの森事件の概要
1.1. 事件の時系列
ポッドキャストの司会者リンダ・モールトン・ハウ氏による説明に基づき、事件は1980年12月の3夜にわたって発生した。
| 日付(夜間シフト) | 部隊 | 主な関係者 | 報告された出来事 |
|---|---|---|---|
| 12月25日~26日 | Cフライト | ジョン・バローズ、ジェームズ・ペニストン 、エド・カヴァンセック | 森の中で奇妙な光を調査。バローズとペニストンは、光の中から現れた黒い三角形の航空機に遭遇。航空機にはシンボルが浮き出ていた。 |
| 12月26日~27日 | Dフライト | ボニー・タンプリン中尉 | シフト司令官のタンプリン中尉が森の中でジープに光が侵入するのを経験し、恐怖のあまり叫び声を上げ、任務から外された。 |
| 12月27日~28日 | Dフライト | チャールズ・ホルト中佐、ラリー・ウォーレン、エイドリアン・バスティンザ他 | ホルト中佐が調査チームを率いて森に入る。ウォーレンは別部隊と共に森の別の場所で航空機と存在に遭遇したと主張。基地司令官ゴードン・ウィリアムズもいたとされる。 |
1.2. 主要人物
- ラリー・ウォーレン: 事件当時、RAFベントウォーターズに所属していた米空軍兵。1983年に最初に事件を公にした内部告発者であり、本件の中心的な証人。
- ピーター・ロビンス: ウォーレンの著書『Left at Eastgate』の共著者。ウォーレンの証言を検証するため、徹底的な調査を行った。
- ジョン・バローズ: ポッドキャストの司会者であり、事件初日の中心的な目撃者の一人。
- チャールズ・ホルト中佐: 事件当時の基地副司令官。「ホルト・メモ」として知られる公式覚書を執筆。彼の証言とテープ録音は事件の重要な証拠となっているが、ウォーレンら他の目撃者の存在については長年否定的な立場をとっていた。
- エイドリアン・バスティンザ軍曹: Dフライトの軍曹で、ウォーレンと共に事件に遭遇。事件による精神的トラウマを負い、脅迫も受けたとされる。
- ジェームズ・ペニストン軍曹: 事件初日にバローズと共に航空機に遭遇した中心的な目撃者。
- ゴードン・ウィリアムズ大佐: 事件当時の基地司令官。ウォーレンは、彼が現場におり、非人間的な存在とコミュニケーションをとったと主張している。
2. ラリー・ウォーレンの目撃証言
2.1. 事件当夜の行動
ウォーレン氏は、事件当夜の行動を時系列で詳細に語っている。
- シフト開始前: 日中は非番で、イプスウィッチへ向かう。PXで「Keystone 110」カメラを購入し、基地のメインゲートとウッドブリッジ飛行場の東端の写真を試し撮りした。
- 任務開始: Dフライトの夜勤に就く。当初、前の晩の出来事に関する話は一切なかった。ベントウォーターズ基地の警備ポスト(P-18)に配置される。
- 招集と出動: ポストからピックアップトラックで呼び出される。運転はエイドリアン・バスティンザ(バスティ)。モータープールでライトオール(大型投光器)の準備が行われており、その後、部隊はウッドブリッジ飛行場の東端からレンデルシャムの森へ向かった。
2.2. キャペル・グリーンでの遭遇
ウォーレン氏が所属した部隊は、ホルト中佐の部隊とは別に、森の中のキャペル・グリーンと呼ばれる野原に到着した。
- 現場の状況: 現場には既に多くの米空軍と英国警察の警備担当者が集まっていた。ウォーレン氏は、肩乗せ式のテレビニュースカメラのような映画カメラが2台設置されていたのを目撃した。彼は現場の感覚を「スローダウンしたような、半分のスピードで物事が進むような感じ」と表現している。
- 現象の発生: 地面に霧のようなものが漂っていた。そこにバスケットボールのような琥珀色の光が飛来し、霧の上空で閃光を発した。
- 物体の出現: 閃光の後、その場所には「デルタ形状で、常に変化し続ける、雪のように白い物体」が出現した。金属製や黒い物体ではなかったという。
2.3. 物体と「存在」の描写
ウォーレン氏は、物体から分離した現象と、その中に見たものについて詳述している。
- 物体からシャボン玉のように青みがかった金色の光の球体が分離し、空中に浮かんだ。
- その光の中に、「顔のようなもの」や輝く ものが見えた。ウォーレン氏は、自身が「銀色のスーツを着た3体の存在」を直接見たわけではないと強調している。その描写は、他者が目撃したと聞いた話であり、後に「ニュース・オブ・ザ・ワールド」紙によって歪められたものだと主張する。
- 彼は、基地司令官ゴードン・ウィリアムズが現場におり、物体との間に物理的な接触ではなく、テレパシーによる「相互作用(interaction)」があったと考えている。
2.4. 事件後の出来事
- 身体的影響と記憶の欠落: 現場を離れた後、ウォーレン氏は口の中に金属の味を感じ、目がひどく潤むなどの体調不良を経験した。現場を離れてから中央警備指令所(CSC)に戻るまでの記憶が欠落している。
- 母親への電話: 食堂でペニストン軍曹と遭遇した後、基地の公衆電話から母親に電話をかけ、「基地の近くにUFOが着陸した」と話したところ、通話が基地側から切断された。
- デブリーフィングと脅迫: その日の午後、ジークラー司令官のオフィスに呼び出された。そこには私服の人間や海軍関係者もいた。事前に作成された「我々は非番中に光を見た」という内容の供述書に署名させられた。海軍の担当者から尋問を受け、その際に「もし我々を困難にさせるなら、弾丸は安いものだ」という脅し文句を言われた。また、遭遇した技術は「地球外(off-earth)」のものだと告げられた。
3. 論争と矛盾点
3.1. 「ニュース・オブ・ザ・ワールド」紙の報道
1983年10月2日、ウォーレン氏が「アート・ウォレス」という偽名で「ニュース・オブ・ザ・ワールド」紙に証言したと報じられた。しかし、ウォーレン氏はこれを明確に否定している。
- ウォーレン氏の主張では、彼は同紙の記者キース・ビーブと短時間話したが、実名でのインタビューを拒否した。
- 記事は、ウォーレン氏が研究者ラリー・フォーセットに提供した断片的な情報と、全く別の情報源の話を捻じ曲げて構成されたものであり、彼自身の直接のインタビューに基づくものではないとしている。
- また、ホルト・メモが同紙に渡ったのは、英国の弁護士が25,000ポンドで売却したためだと述べている。
3.2. エイドリアン・バスティンザとの証言の混同
ウォーレン氏は、初期の証言において、自身の体験と、事件後に精神的ショックを受けていた エイドリアン・バスティンザ軍曹から聞いた話を混同して語っていたことを認めている。
- 特に、黒い車で連れ去られ、地下施設のような場所で何らかの処置(注射など)を施されたという「非常に奇妙な記憶」について、当初はバスティンザの体験として語っていた。
- しかし、後にそれは自分自身の体験であったと訂正している。この記憶は非常に断片的で主観的であり、彼はこれが一種の心理作戦や偽の記憶を植え付けるためのものだった可能性を示唆している。興味深いことに、ジェームズ・ペニストン軍曹も退行催眠下で注射をされたと証言している。
3.3. チャールズ・ホルト中佐との対立
ホルト中佐は長年にわたり、ウォーレン、バローズ、バスティンザが事件の中心的な目撃者ではないと主張し、特にウォーレンは当夜任務に就いていなかったとまで発言していた。
- しかし、後にウォーレンの勤務記録や、ホルト自身の録音テープの音声分析により、これらの人物が現場にいたことが証明された。
- ピーター・ロビンス氏が録音したホルト氏とのインタビューでは、ホルト氏はバローズとバスティンザが「我々の前方に進んだ」ことを認め、ウォーレンについても「我々の周りにいた可能性はある」と発言を修正している。
- ロビンス氏は、ホルト氏がウォーレン氏に敵意を抱く理由として、①ウォーレン氏がきっかけでホルト・メモが公開され、ホルト氏のキャリアに傷がついたこと、②国家安全保障局(NSA)が自分ではなくウォーレン氏ら下士官に関心を示したことへの嫉妬、③当局からの圧力、の3点を挙げている。
4. 物理的証拠と調査
4.1. ピーター・ロビンスによる現地調査
ウォーレン氏とロビンス氏は1988年2月に事件現場を再訪。その際、彼ら自身も複数のUFOを目撃したとロビンス氏は語っている。この調査の最も重要な成果は土壌サンプルの採取であった。
4.2. 土壌分析の結果
ロビンス氏は、ウォーレン氏が物体の着陸地点と特定したキャペル・グリーンの楕円形の変色したエリアから土壌サンプルを採取し、スプリングボーン環境研究所の化学者マシュー・モニーツ氏に分析を依頼した。その結果は以下の通りである。
- 撥水性: 影響を受けたとされる土壌は、水を混ぜても泥にならず、水面に浮くか塊になって沈んだ。これは土壌のpH値が「吹き飛ばされた」 ためと分析された。
- 種子の発芽阻害: 影響を受けた土壌で栽培された種子は、対照サンプルの土壌に比べて成熟が著しく遅れ、成長しても「突然変異株」しか生まれなかった。
- 鉄分含有量: 影響を受けた土壌の微細な鉄粒子の含有量は、周辺地域の4倍以上であった。これは、強力な電磁気的効果によって鉄粒子がその場所に引き寄せられた可能性を示唆している。
- 砂の融解: 最も劇的な発見は、影響を受けた土壌サンプルには砂が存在せず、シリカ(ガラス化する過程の中間物質)に融解していたことである。
4.3. 証拠の意義
ロビンス氏は、特に「砂がガラスに溶ける」という現象は、いかなる心理作戦(PsyOp)でも再現不可能であり、事件が物理的な現実であったことを示す決定的な証拠であると結論付けている。この物理的証拠は、軍の公式文書や複数の目撃証言と一致し、事件の信憑性を強固に裏付けている。
5. 脅迫と隠蔽工作
5.1. 「弾丸は安い」という脅し
ウォーレン氏は、事件後のデブリーフィングで海軍関 係者から「弾丸は安い」と脅されたと証言している。また、リンダ・モールトン・ハウ氏によれば、この脅しは当初81st飛行隊司令官マルコム・ジークラーによるものとされていたが、エイドリアン・バスティンザ軍曹も同様の脅迫を受けていたことが確認されている。
5.2. 事件後のウォーレンの経歴
ウォーレン氏は事件後、身の危険を感じ、基地からの転属を希望したが、最終的に空軍側の「契約違反」という形で名誉除隊となった。この異例の除隊手続きは、基地司令官ゴードン・ウィリアムズ大佐自らが処理した。除隊後、彼の再入隊を妨げる特殊なコードが記録されており、彼が組織的に空軍から排除されたことを示唆している。
6. 結論と現在の見解
ラリー・ウォーレン氏とピーター・ロビンス氏が提供した情報は、レンデルシャムの森事件が単なる光の誤認や作り話ではなく、高度な技術を持つ物理的物体と、場合によっては非人間的知性が関与した、複雑かつ多層的な出来事であったことを強く示している。
ウォーレン氏の証言には、他の目撃者との矛盾や、彼自身の記憶の混乱に起因する問題点も存在する。しかし、彼の証言の核心部分は、ロビンス氏の調査によって発見 された強力な物理的証拠によって裏付けられている。特に、砂がシリカに融解していたという土壌分析結果は、異常なエネルギー現象が現場で発生したことを科学的に示しており、事件の客観的な証拠として極めて重要である。
事件から35年以上が経過しても、目撃者間の対立や当局による情報操作の可能性が影を落としている。しかし、ウォーレン氏やバローズ氏らが訴えるように、事件によって人生に大きな影響を受けた目撃者たちが団結し、事実を追求し続けることの重要性は変わらない。この事件は、依然として解明されるべき多くの謎を残しており、その全容解明にはさらなる調査が不可欠である。
レンデルシャムの森事件に関するインシデント報告書
1.0 事件概要 (Incident Summary)
本報告書は、1980年12月に英国サフォーク州のレンデルシャムの森において、米空軍(USAF)の複数の関係者が経験した一連の未確認航空現象(UAP)との遭遇事件に関する目撃証言を、客観的に統合し分析することを目的とする。報告は、関係者の証言、公式メモ、および事件後の調査から得られた情報に基づき、事象の全体像を構築するものである。
事件は1980年12月25日から28日にかけての三夜にわたり、英国のRAFベントウォーターズ・ウッドブリッジ基地に隣接するレンデルシャムの森で発生した。この期間中、基地に所属する複数の米空軍兵士が、説明のつかない光や物理的な飛行物体を目撃した。本報告書における主要な証言は、ラリー・ウォーレン空兵、ジョン・バロウズ空兵、およびチャールズ・ホルト中佐から得られたものであり、それぞれが事件の異なる局面における独自の視点を提供している。
本報告書では、まず事件に関与した主要人物の役割を整理し、次に三夜にわたる出来事の時系列を詳述する。その後、目撃された物体の物理的特徴や挙動を分析し、最後に事件後の公式対応と関係者に及ぼした長期的影響について考察する。
2.0 関係者情報 (Personnel Involved)
本事件の全体像を理解するためには、関与した主要人物の役割と階級を明確にすることが不可欠である。以下の表は、各人物の階級、役職、および事件における役割を整理したものである。これにより、各証言の背景にある階級構造と責任範囲の文脈が提供され、報告内容の理解が深まることが期待される。
| 氏名 (Name) | 階級、役職、および事件における役割 (Rank, Position, and Role in Incident) |
|---|---|
| ラリー・ウォーレン (Larry Warren) | 空兵(Airman First Class)、Dフライト所属。第三夜における主要目撃者の一人。 |
| ジョン・バロウズ (John Burroughs) | 空兵(Airman First Class)、Cフライト所属。第一夜における主要目撃者の一人。 |
| チャールズ・ホルト中佐 (Lt. Col. Charles Halt) | 基地副司令官(Deputy Base Commander)。第三夜の調査隊を率い、公式メモを作成。 |
| エイドリアン・バスティンザ軍曹 (Sgt. Adrian Bustinza) | Dフライト所属の軍曹。第三夜の目撃者であり、事件後に脅迫を受けたと証言。 |
| ジェームズ・ペニストン三等軍曹 (Staff Sergeant James Penniston) | Cフライト所属。第一夜にバロウズと共に物体に遭遇した主要目撃者。 |
| エド・カヴァンセック空兵 (Airman Ed Kavancek) | Cフライト所属。第一夜にバロウズ、ペニストンと共に森の調査に参加。 |
| ボニー・タンプリン中尉 (Lt. Bonnie Tamplin) | Dフライトのシフト司令官(Shift Commander)。第二夜に森で光を目撃し恐怖したため任務から外された。 |
| ロバート・ボール曹長 (Master Sergeant Robert Ball) | タンプリン中尉の後任としてDフライトの警備責任者に就任。 |
| ゴードン・ウィリアムズ基地司令官 (Base Commander Gordon Williams) | 基地司令官。ウォーレン氏の証言によれば、第三夜の現場に存在し、非人間的存在とコミュニケーションをとったとされる。 |
| マルコム・ジクラー飛行隊長 (Squadron Commander Malcolm Zickler) | 第81飛行隊長。事件の目撃者に対し、緘口令を敷き脅迫したとされる人物の一人。 |
この人物相関図は、次に詳述する時系列分析の理解を深めるための基礎となる。
3.0 時系列による事象の経過 (Chronological Progression of Events)
本事件は単一の出来事ではなく、1980年12月下旬の三夜にわたって展開した連続的な事象である。各夜の出来事を時系列で追跡することは、事件の複雑な全容を解明する上で極めて重要となる。
3.1 第一夜の事象 (1980年12月25日-26日)
12月25日の深夜から26日の早朝にかけて、Cフライトに所属するジョン・バロウズ空兵、ジェームズ・ペニストン三等軍曹、エド・カヴァンセック空兵は、森の中に現れた奇妙な光を調査するため基地から出動した。彼らの証言によれば、現場で「白い光の爆発」に遭遇し、その光の中から「表面にシンボルが浮き彫りになった黒い三角形の飛行物体」が出現したとされる。
3.2 第二夜の事象 (1980年12月26日-27日)
翌日の12月26日深夜から27日の早朝にかけて、Dフライトのシフト司令官であったボニー・タンプリン中尉が、森の中で自身の運転するジープに「光が侵入した」ことに極度の恐怖を感じ、任務から外されたと報告されている。彼女の交代後、ロバート・ボール曹長がDフライトの警備責任者に任命された。
3.3 第三夜の事象 (1980年12月27日-28日)
12月27日の深夜から28日の早朝にかけて、チャールズ・ホルト基地副司令官が自ら調査チームを率いて森に入った。チームはガイガーカウンター、カメラ、録音機材などを携行しており、十数名の部下で構成されていた。ラリー・ウォーレン氏の証言によれば、彼はホルト中佐の調査隊とは別のグループに所属し、森の別の場所で物体 に遭遇したとされる。ウォーレン氏のグループが目撃した現象は以下の通りである。
- 地面に定義された形状を持つ「霧(mist)」が発生。
- 「バスケットボールのような赤い光」が飛来し、霧の上空で静止。
- 赤い光が「閃光(flash)」を発し、その場所に「白雪のようで、絶えず形状を変化させるデルタ翼状の物体」が出現した。
同時刻、エイドリアン・バスティンザ軍曹はジョン・バロウズ氏と共に光に向かっていた際、光によって地面に押し付けられるように感じたと証言している。彼はその状態で、バロウズ氏が赤とオレンジの光に包まれるのを目撃した。
これらの時系列的に並行し、かつ内容の異なる目撃証言は、本事件が単一の現象ではなく、複数の独立した、あるいは連動した事象で構成されていた可能性を示唆するものである。この複雑性を解明するため、次に各証言で報告された物体と現象の物理的特徴を詳細に分析する。
4.0 目撃された物体および現象の詳細分析 (Detailed Analysis of Witnessed Objects and Phenomena)
異なる夜に複数の目撃者によって観測された物体や現象の特徴を統合・分析することは、事件の性質を理解する上で極めて 重要である。本セクションでは、各証言から一貫したパターンと特異な点を抽出し、その物理的特徴、挙動、および周辺環境への影響を分析する。
4.1 物体の物理的特徴
複数の証言から、物体の形状、材質、色、光源に関する記述を以下に整理する。
- 第一夜の物体(バロウズ氏・ペニストン氏の証言):
- 形状: 黒い三角形。
- 表面: シンボルが浮き彫りになっている。
- ホルト中佐のメモ:
- 形状: 金属質で三角形。
- 光源: 上部に脈動する赤い光、下部に青い光の列。
- 第三夜の物体(ウォーレン氏の証言):
- 形状: 絶えず形状が変化するデルタ翼状(deltoid-shaped)。物体は高さ15~20フィート(約4.5~6メートル)まで上昇し、広がったとされる。
- 材質・色: 金属質でも黒くもなく、「白雪のよう」であった。
- その他: 地面に定義された形状の「霧」から出現したとされる。
4.2 観測された挙動
物体の動きや光の挙動に関する証言には、いくつかの共通点と相違点が見られる。
- 光の挙動: ホルト中佐のメモには、「赤い太陽のような光が動き回り、脈動し、光る粒子を放出した」後、「5つの別々の白い物体に分裂して消え た」と記録されている。一方、ウォーレン氏は、赤い光が飛来し「音もなく静かに閃光を発した」と証言しており、爆発的でありながら制御された現象であったことを示唆している。
- 音の有無: ウォーレン氏は、物体が飛来した際も閃光を発した際も「全く音がなかった(no sound at all)」と強調している。
4.3 異常な環境効果
ウォーレン氏は、第三夜の現場において、特異な知覚効果を体験したと証言している。
- 時間感覚の変化: 現場の時間が「半分の速度(half speed)」になったかのような感覚に陥った。
- 体外離脱感覚: 自身が「体から少し半分抜け出し、何かを観察しているような(a little half out of yourself, kind of observing something)」解離的な状態を覚えた。
これらの物理的・感覚的な詳細な記述は、事件が単なる光の目撃に留まらない異常な現象であった可能性を示唆しており、事件後の公式対応と物的証拠の分析の重要性を浮き彫りにしている。
5.0 事件後の対応と影響 (Post-Incident Actions and Effects)
事件そのものだけでなく、その後の米空軍による対応と関係者への長期的な影響を分析することは、事件の重大性を評価する上で重要な指標となる。情報統制の試み、関係者への心身の影響、そして残された物理的証拠は、事件の異常性を物語っている。
5.1 公式対応および情報統制
複数の目撃者は、事件後に組織的な情報統制と脅迫があったと証言している。
- 供述書への署名強要: 目撃者らは、「非番中に光を見た」という内容の事前に作成された供述書に署名を強要された。
- 脅迫: 複数の目撃者が「弾丸は安い(bullets are cheap)」という言葉で脅迫を受けたと証言している。ラリー・ウォーレン氏は当初、この脅迫をマルコム・ジクラー飛行隊長によるものとしていたが、後の証言では、事件後の尋問中に海軍情報局(ONI)の担当者から発せられたものであると明確にしている。エイドリアン・バスティンザ軍曹も同様の脅迫があったと証言している。
- 説明の強要: バスティンザ軍曹は、目撃した現象を「灯台の光」として説明するよう命令されたが、これを拒否した。
- 通信の監視: ウォーレン氏が事件直後に母親に国際電話をかけた際、通話は基地側から切断され、後に彼はこの件で罰金を科された。
5.2 関係者への身体的・心理的影響
事件は、関係者に深刻な身体的および心理的影響を及ぼした。
- 身体的症状: ウォーレン氏は事件直後、口の中に「金属味(metallic taste)」を感じ、目が充血し涙が止まらなかったと報告している。また、彼は閃光により「記録に残る目の損傷(damage to my eyes that it documented)」を負ったと主張している。
- 心理的影響: ウォーレン氏によれば、バスティンザ軍曹は事件のトラウマから兵舎で泣き崩れるほど精神的に追い詰められていた。
5.3 物理的証拠の分析
事件現場では、複数の物理的な異常が報告・分析されている。
- ホルト中佐のメモ:
- 第一夜の現場で「三角形の窪み」が発見された。
- 窪みからは「低レベルのベータ・ガンマ放射線」が検出された。
- ピーター・ロビンス氏による土壌分析:
- 1988年以降に第三夜の現場(キャペル・グリーン)で採取された土壌サンプルを分析した結果、以下の異常が確認された。
- 水分との反応: 土壌が水分と混ざらず、泥にならなかった。pH値が失われていた。
- 種子発芽実験: サンプル内の土壌で育てた種子は発芽が大幅に遅れ、「突然変異株(mutant strains)」のみが育った。
- 鉄分含有量: 周辺地域の4倍を超える鉄の微粒子が検出された。これは強力な電磁気効果を示唆している。
- 砂の変質: 土壌中の砂が存在せず、融解してシリカ(ガラスの中間形態)に変化していた。
- 1988年以降に第三夜の現場(キャペル・グリーン)で採取された土壌サンプルを分析した結果、以下の異常が確認された。
これらの事件後の対応、関係者への影響、そして物理的証拠は、本事件が単純な誤認ではなく、高度な技術が関与した異常な出来事であった可能性を示唆している。特に、物理的証拠は、証言の信憑性を巡る複雑な論点を提示している。調査官ピーター・ロビンス氏が指摘するように、「いかに巧妙な心理作戦であったとしても、砂をガラスに融解させることはできない」。
6.0 証言の矛盾点と特記事項 (Discrepancies in Testimony and Noteworthy Items)
本事件の報告を完了するためには、証言間に存在する矛盾点や、事件の解釈に影響を与える可能性のある特記事項を客観的に評価することが不可欠である。これらの要素は、事件の複雑性と、潜在的な情報操作の可能性を示唆している。