Scott Adams : 自身の癌治療を語る
要旨
デイリーニュースとディルバートカレンダーと癌治療
この文書は、YouTubeチャンネル「Real Coffee with Scott Adams」の「Episode 3009 CWSA 11/05/25」という動画のトランスクリプトの抜粋であり、スコット・アダムスが彼の番組を導入するところから始まります。
彼は新しく発売された「Dilbert 2026 カレンダー」の宣伝に時間を費やし、それが印刷品質と追加のコミックのためにキャンセルされた後の「自由」を利用したと説明しています。
また、彼は自身の「reframe your brain」という本からメンタルヘルスに関するリフレームの概念を紹介し、寒さを健康に役立つと再解釈する方法を提案します。
さらに、彼は政治、選挙結果、メディアの偏向(特にウィキペディアのニュースソース)、そして個人的な健 康問題(癌治療後の極度の疲労)など、さまざまな話題についての意見を述べています。
目次
スコット・アダムスとのコーヒー:エピソード3009ブリーフィング
要旨
本ブリーフィングは、スコット・アダムスが自身のYouTube番組「Real Coffee with Scott Adams」のエピソード3009で提示した主要なテーマ、分析、個人的見解をまとめたものである。最重要事項として、アダムスは2026年版の新しいディルバート・カレンダーの発売を発表した。このカレンダーは米国製で、各ページの両面にコミックが掲載され、裏面には「Dilbert Reborn」と題された、より刺激的なコンテンツが含まれる。また、アダムスは最近の選挙結果について詳細な分析を行い、特にニューヨーク、バージニア、ニュージャージーでの民主党の圧勝は、若年女性有権者の圧倒的な支持によるものだと指摘した。
政治的考察として、メディアの偏向性(WikipediaやMSNBC)、億万長者による「アンチウォーク」大学への資金提供、企業のレイオフ理由をAIのせいにする「AIウォッシング」といった現代的な現象について論じている。外交政策では、ベネズエラ周辺への米軍艦船の展開をトランプ流の交渉術と解釈し、ガザ地区の安全保障理事会構想にも言及した。
最後に、アダムスは自身の個人的な健康状態について重要な更新を行った。彼は核医学がん治療(Pluvicto)の第一回セッションを受け、「放射性を帯びている」状態にあると述べた。この治療による副作用として、これまでに経験したことのない極度の疲労感を報告しているが、治療が成功すればその情報を広く共有する意向を表明した。
1. 2026年版ディルバート・カレンダーの発売
スコット・アダムスは、2026年版の新しいディルバート・カレンダーの発売を番組の冒頭で発表した。このカレンダーは、過去の製品とは一線を画すいくつかの特徴を持っている。
- 米国製: カレンダーと付属のスタンドは、すべて米国内で印刷・製造されている。スタンドには米国製の証として小さな旗のデザインが施されている。
- 両面コミック: 各ページに表と裏の両面にコミックが印刷されており、アダムス曰く「キャンセルされる前の2倍良い」製品となっている。
- 刺激的な新コンテンツ: 裏面には「Dilbert Reborn」と名付 けられた、より「スパイシー」なコミックが掲載されている。これらは編集者の制約を受けずに制作された、自由な表現の産物である。
- 販売と供給:
- 販売チャネルは送料無料の利便性からAmazonに限定されている。
- 先行投資のリスクを避けるため、意図的に生産数を通常より少なくしており、「数万部」程度とされている。アダムスは、この限定生産により12月までに完売する可能性が高いと述べ、これは販売戦略であると同時に事実でもあると強調した。
- 偽造品への注意:
- 市場には多数の偽造品や海賊版が出回っており、Amazonと協力して排除を進めている。
- 本物は「燃えるようなオレンジ色」であり、青色などの他の色のものは偽造品である。
- 偽造品の中には、「Dilbert」のスペルを「Dil bert」のように誤って表記しているものもある。
2. 選挙結果の分析と政治的考察
アダムスは、前日に行われた選挙結果について、独自の分析と考察を展開した。
民主党の勝利と若年女性有権者
3つの州で知事選が行われ、すべて民主党候補が勝利した。
- ニューヨーク: Mom Donnie氏
- バージニア: Spanberger氏
- ニュージャージー: Cheryl氏
アダムスは、この勝利の決定的な要因として若年女性の投票行動を挙げ、NBCの出口調査データを引用した。
- Mom Donnie氏への若年女性の支 持率: 81%
- Cheryl氏への若年女性の支持率: 80%
- Spanberger氏への若年女性の支持率: 78%
彼は、若年女性が社会主義的な政策を好む理由について、「男性とは異なり、自己防衛のために進化しておらず、他者と共有することを重視する傾向があるため」という進化論的な仮説を提示した。
政治的言説とメディアの役割
- 指導者論争: Mom Donnie氏の当選により、民主党の事実上のリーダーが同氏なのか、それともAOC(アレクサンドリア・オカシオ=コルテス)なのかという議論が始まると予測。共和党は、より人気がないと見なす人物をリーダーとして位置づけることで、政治的優位を得ようとするだろうと述べた。
- メディアの報道: MSNBCが、共和党の選挙での不振の理由として、トランプ氏がホワイトハウスに新しいボールルームを建設したことを挙げた件について、「完全に狂っている」と批判した。
- パランティアCEOの分析: パランティアCEOのアレックス・カープ氏の見解を紹介。カープ氏は、ニューヨークが「完全な大惨事」に向かっていると述べ、有権者が政策を評価する際に「それは機能するのか?」と問う代わりに、「それは理論上、機能するのか?」と問うていると指摘した。アダムスはこの分析を、民主党が「想像上の問題」に「想像上の解決策」を提示しているという自身の見解と一致するものとして評価した。
その他の政治的トピック
- カリフォルニア州住民投票50号: 州の選挙区割りを変更し、民主党に有利になる可能性のある法案が可決された。アダムスは、カリフォルニア州の有権者の10人中9人が「超党派の委員会」による選挙区割りを支持しているという調査結果に触れ、今回の投票でその超党派委員会を廃止することに賛成したという矛盾を指摘した。
- ビル・アックマンの行動: 投資家のビル・アックマン氏が、選挙で反対していたMom Donnie氏の当選後、ニューヨーク市への協力を申し出たことについて、アダムスはこれを「勇敢で、役に立とうとする」姿勢だと評価し、ビル・マーと同様に、たとえ意見が異なってもその勇気を称賛すると述べた。
3. テクノロジー、経済、社会に関する時事問題
アダムスは多岐にわたるニュースを取り上げた。
| 分野 | トピック | 概要 |
|---|---|---|
| 技術 | 歯の修復ジェル | 歯の表面に塗布することで虫歯を治療・予防できる可能性のある新しいジェルが開発された。 |
| 肥料の新技術 | パルス電気分解により、空気中の窒素を 直接回収して持続可能な肥料を生成する技術が登場。世界の肥料不足問題を解決する可能性がある。 | |
| 宇宙データセンター | Googleが2027年に宇宙データセンターの建設に向けた打ち上げを計画。また、月の暗黒面の極低温環境を利用したデータセンター構想も存在する。 | |
| 経済 | ドイツの暖房費 | ノルドストリーム爆破以降、ドイツの暖房費が82%上昇した。 |
| 「AIウォッシング」 | 企業が業績不振による人員削減の本当の理由を隠し、AIの導入を口実にすること。CNBCがこの用語を紹介した。 | |
| ニューヨークの商業不動産 | 以前の予測に反して、ニューヨーク市の商業用不動産市場がすでに回復している。 | |
| 教育・文化 | オースティン大学への寄付 | 「アンチウォーク」を掲げる新設のオースティン大学に対し、億万長者のジェフ・ヤス氏が1億ドルを寄付した。 |
| 美術館館長の解任 | フィラデルフィア美術館の館長が、DEI(多様性、公平性、包括性)に注力しすぎたことを理由に解任された。 |
4. 外交・軍事関連の動向
- ニッキー・ミナージュとトランプ大統領: 歌手のニッキー・ミナージュが、ナイジェリアで起きているとされるキリスト教徒の虐殺について声を上げたトランプ大統領に感謝を表明した。
- ガザ情勢: 米国が国連に対し、ガザ地区の「安全保障理 事会」を設置する計画を提出した。
- ベネズエラ情勢: 米国が空母「ジェラルド・R・フォード」を含む複数の軍艦をベネズエラ近海に派遣している。アダムスはこれを、軍事行動の準備というよりは、相手に圧力をかけて交渉を有利に進めるためのトランプ大統領特有の戦略だと分析している。
- トランプ家の発言: エリック・トランプ氏が、父親が3期目を目指す可能性を否定しなかったことについて、アダムスは「最高の意味でトランピー(トランプらしい)」行動だと評価し、ニュースサイクルを生み出し、人気をアピールする面白い戦略だと述べた。
- NASA人事の転換: トランプ大統領は一度、民主党員であることを理由にジャレッド・アイザックマン氏の宇宙計画責任者への指名を撤回したが、最近になって彼を同職に任命した模様。アダムスは、一度下した決定が間違いだったと分かった場合に迅速に修正する姿勢を高く評価した。
5. スコット・アダムスの個人的な健康状態の更新
アダムスは自身の健康状態について、重要かつ詳細な報告を行った。
- がん治療の開始: 彼は核医学療法である「Pluvicto」の治療を開始した。これは今後数ヶ月にわたり6週間ごとに計6回行われる静脈注射の1回目である。
- 放射能と副作用:
- この治療により、彼は現在「放射性を帯びて」おり、哺乳類から距離を置く必要がある。
- 副作用として、これまでに経験したことのないレベルの極度の疲労感を経験している。番組準備中にタイピングしながら十数回も眠りに落ちたと語った。
- 並行する治療: Pluvictoと並行して、「バイオシールド」と呼ばれる、特定のがんに対する自己免疫力を高めるための治療も受けている。
- 治療への姿勢: 自分が特別な治療を受けていることを認めつつも、「もしこの治療が成功すれば、米国のあらゆる所得層の人々がこの治療法の存在を知り、利用できるように尽力する」と述べた。彼は、最初に成功体験を得た者として、他の人々を助ける責任があると考えている。
- 睡眠パターン: 長年公言してきた「1日4時間睡眠」が、Apple Watchのトラッキングによって事実であることが確認されたと述べた。
自身の癌治療
提示されたソースに基づき、癌治療(PluvictoとBio Shield)について、個人的な視点とビジネス/より大きな文脈の両方から、これらの治療法が何を意味しているのかを説明します。
1. 個人的な視点:治療の詳細と体験
講演者は、自身の癌治療のために「Pluvicto(プラヴィクト)」と「Bio Shield(バイオシールド)」という2つの治療を受けているか、受けている最中であると説明しています。
治療のプロセスと目的
- Pluvicto(プラヴィクト): これは昨日受けたばかりの、全6回の点滴(IVs)のうちの1回目です。点滴は約6週間間隔で行われます。
- 目的:Pluvictoは腫瘍を攻撃するように設計されており、腫瘍の端まで正確に特定できるため、非常に特異的に作用します。
- 効果の可能性:この治療法が奏功する可能性は3分の1であるとされていますが、悪化する可能性もまた3分の1あると認識されています。
- Bio Shield(バイオシールド): これはPluvictoと同時に行っている別の治療であり、「2回のパス(two passes)」から成ります。
- 目的:特定の癌に対する特異的免疫をブーストすることを目的としています。
- 役割:Pluvictoが除去しきれなかった残留物を処理するため、あるいはPluvictoが全く効かなかった場合でも、Bio Shieldが癌を完全に排除する可能性も秘めています。講演者は、癌に対して2つの治療法が作用することを望んでいます。
副作用と身体的影響
治療を受けた結果、講演者は「Dr. Manhattanのよう」に放射能を帯びた状態になり、他の哺乳類から一日遠ざかる必要があると述べています。
また、新しい薬や治療を受ける際に警告される「疲労」について、講演者は次の点を強調しています。
- 極度の疲労: 彼は以前から平均4時間睡眠であると述べていますが、今回の治療で感じている疲労のレベルは「これまで感じたことのない」ものであり、「全く新しいレベルの疲労」だと表現しています。
- 具体的な症状: 今朝の番組準備中に、文字通りタイピングをしながら十数回、あるいは20回ほど眠りに落ちたと述べています。
- その他:治療により非常に喉が渇くとも述べています。
- 決意:この極度の疲労にもかかわらず、彼は昨日の作業を全て完了し、すべての締め切りを守ったと述べています。